本が多すぎて消化しきれない
新刊同士が排斥しあう現象は早くから生じている。「かつて新刊には少なくとも書店の棚に並ぶ機会があり、2〜3週間おいて売れ行きが悪ければ返品された。しかし最近では、書店に並ぶ機会さえない新刊もある。供給過剰と市場の飽和が原因だ」と爾雅出版社の隠地氏は『2002隠地』の中で述べている。こうした状況を考え、昨年250点余りの新刊を出した時報文化出版社は、今年は10%ほど新刊点数を減らすことにしている。
しかし、新刊の点数を減らせば、これらの問題は解決できるのだろうか。
「問題は出版物の数ではなく、内容の重複性の高さです」と指摘するのは天下文化出版社マーケティング企画部の林彦傑さんだ。例えば旅行ガイドブックを見ると、東京を紹介する本は数え切れないほどあるが、読者は一冊しか買わないかも知れないのである。
出版社が世界に目を向ければ、その分だけ新刊も増えると言われる。だが、すべての本についてそれを必要としている読者を見出すことを考えなければならない。しかし、実際に読者はどこにいて、何を求めているのだろうか。
3月末、出版の日の記者会見において、図書出版事業協会の林栄川・理事長は、最近の読書人口の構造的変化を指摘した。最近は仕事などで中国大陸に駐在する人が50万人に達すると見られているが、この年齢層は本の購読者の主力を成している。彼ら一人当たりの年間の図書購入予算が5000台湾ドルだとすると、台湾の出版業界は25億台湾ドルの市場を失った計算になる。
2001年7月、雑誌「ネットと本」が「台湾都市部の読書習慣調査報告」を発表した。それによると、台北と台中と高雄の三つの都市部では1ヶ月に本を1冊も読まない人が37.7%と4割近くに達している。本を読むと答えた人の1日の平均読書時間は1.9時間で、テレビを見る時間の2.85時間より短い。この調査によると、読書の時間が減少した主な原因は「忙しすぎる」というもので、64%を占めていた。
しかし、読書人口が本当に減ったのなら、年間4万点もの新刊を市場が消化できるはずはなく、そのため読書人口が減ったという説に同意しない人もいる。
「台湾では教育を受ける人が増え続けているのですから、本を買う人は減っていません。出版業界全体の売上は大幅に下がってはいないのですから」と話すのは遠流博識ネットの林皎宏・顧問だ。読者が減っているのではなく、薄まっているのだと言う。例えば小説の場合、以前はそれほど多くの種類はなかったが、今では武侠小説、探偵小説、怪奇小説などさまざまな類型があり、読者が分散しているのだと言う。

窓辺の席でも床の上でも、一番くつろげる姿勢で好きな本に読みふける。