強制的なパッケージ戦略
角頭が販売ルートとパッケージで強いのにはわけがある。創業当初、知名度を上げるため、張四十三さんは作戦を練った。「私は元はメジャーにいたので、販売ルートの大切さを痛感しています」ルート開拓のため、張さんは自ら台湾全土のレコード店に営業に出向いた。「疲れましたが成果はありました。今ではほとんどのレコード店にうちの商品があります」と言う。
だが入荷しても、マイナーレーベルを目立つ所に並べる店はない。そこで張四十三さんはCDの既成概念を打ち破り、従来のレコードの24×24センチの大きさのカバーを使った。張さんは「これだけ大きくすればレコード店も目立つ所に置かざるを得ないし、いやでも客の目に触れます」と得意げだ。定石ではないこの方法で、角頭はレコード店で専属の棚を持ち、メジャーのレコード会社も得られない待遇を受けている。
角頭が音楽ファンに評判なのは、その美しいデザインとマガジンCDというコンセプトだ。「以前から雑誌が好きなので、CDに文章や写真をたくさん使い、雑誌っぽい作りにして、その作品をより深く知ってほしいと思ったのです」と張四十三さんは言う。
普通、大手のレコード会社が企画を出す時、冊子の文章とデザインは歌手を引き立たせることが中心になる。だが角頭では、文字はドキュメンタリー文学でありデザインはそれのみで作品となるものだ。そしてそれらが音楽と絡み、また新たな命が生まれる。
角頭の作品の多くは、蕭青陽さんの手によるデザインだ。彼は張四十三さんと同じくメジャーレーベルの出身だが、マイナーの方が自由にやれると感じている。
「角頭のアルバムを作る時、私たちは仕事場でそれぞれ作業をし、まったく干渉されません」蕭青陽さんは角頭で作るカバーデザインを自分の独立した美術作品と考えている。そして台湾的なビジュアルを前面に出し、さらに海外のデザインを取り入れたものを創り出そうとしているのだ。
張四十三さんが現代のさまざまな声を記録しようとしているのと同じように、蕭青陽さんも自分の作品で特定の年代のビジュアル的な記憶を表現したいと考えている。2001年に出した『少年アイ国』は、当時最も人気だったテレビドラマ『飛龍在天』のパロディだ。蕭青陽さんは自分の息子に登場人物の真似をさせ、上半身裸でカンフーのポーズをさせた。トークショータレントの恒春兮のカバーデザインでは、彼の毒のある台湾的ギャグを表すため台湾の「抗議大王」柯賜海を用いた。