画家が描く「海洋台湾」
今回の展覧会に出品する画家の世代は幅広く、技法やスタイルもさまざまだが、いずれも台湾の北部海岸をそれぞれの角度や解釈で描いており、どれも味わい深い。
今回出品する画家の中で最年長は1940年生まれの趙国宗である。彼は油絵と磁器上絵付けを得意とし、童心を感じさせる作風で知られている。今回展示されるのは「観音山」と「野柳地質公園」という二つの作品だ。「野柳地質公園」を見ると、抽象的でありながら写実的でもある「女王頭」に、実際の女王頭を知る人は会心の笑みをもらし、女王頭を知らない人は好奇心を抱くに違いない。キャンバスには、いくつも唇のような色の塊が並んでいるが、野柳を訪れたことのある人なら、それが波や風雨の浸食でできたキノコ型の奇岩であることがすぐにわかる。
かつて郵便切手のために台湾の風景を描いていた水彩画家の柯鴻図は、写実的な筆致に詩情を感じさせることで知られている。今回の展覧会に出品されるのは「富貴角灯塔(灯台)」と「雄鷹振翅」だ。富貴角灯台は台湾本島最北端のランドマークで、航海の道しるべだが、それだけではない。「灯台は光を放って船を導くものですが、それはまるで国際社会において台湾が自由と民主主義の光を放つ灯台であることを示しているとも言えるでしょう」と廖仁義さんは言う。
同じ1955年生まれの林章湖と李振明は、水墨画で知られているが、作風は大きく異なる。林玉山に師事した林章湖は「水墨画の技法を用いて、海や波、海岸の岩を見事に描き出しています」と廖仁義さんは言う。その作品「遥望杙峰 和平島地質公園」と「燭台双嶼」は現代水墨画に属するが、細密な筆致で台湾東北海岸に連なる奇岩怪石を描いている。
自然や生物の描写を得意とする李振明について、廖仁義さんはこう語る。「彼の作品には一種の生態美学というものがあります。台湾の湿地の生きものが、厳しい環境の中でいかに生き延びているかを繊細に観察しています。その作品からは生命を大切にする仏教的な精神が感じられます」と。その作品「石門洞」と「野柳地質公園」を見ると、画家の目を通した大自然の奥深さと生命の鼓動が感じられる。
今回の展覧会のキュレーターであり、出品するアーティストでもある林磐聳さんは点描画で知られている。今回は水墨の点描作品「水仙凌波淡水河 珠圓玉潤観音山」と「自然韻律 石門老梅緑石槽」の二点が展示される。山の壮麗さ、水の動き、岩のリズムが無数の点によって表現され、台湾の風景が凝縮されている。
オレンジ色に染めた髪がシンボルになっている荘連東は水墨画に長けている。ただ、伝統の水墨画には優美な姿の白鶴が描かれることが多いのに対し、彼は台湾で「暗光鳥」と呼ばれるゴイサギ(夜鷺)を描き込んでおり、この大地への想いを感じさせる。今回出品する「野柳地質公園」と「和平島地質公園」は、台湾の特殊な海蝕地形からインスピレーションを得て、風と水、土と岩の饗宴を描き出している。