華語を世界に
台湾を世界の華語教育の中心地にするために、教育部と僑務委員会は力を合わせて世界への働きかけを進めている。
昨年8月、教育部は高等教育国際合作基金会に台湾華語教育リソースセンターの引継ぎを依頼した。そして部門を超えた協調を進め、全国に90近くある華語教育機構のリソースを統合して世界に進出しようとしている。
では、世界の華語学習者を増やすにはどうすればいいのだろう。台湾はさまざまな奨学金制度やプランを提供している。華語文奨学金や、学校と学校が共同で出す「優華語プラン」奨学金、短期学生グループ補助金などがあり、欧米から華語学習のために台湾に来る人々をひきつけている。2022年には7022人が台湾の大学付設華語センターで学んだ。また、中原大学や成功大学、文藻大学は共同でインドネシア、タイ、ベトナムなどに100名の華語教師を送り出しており、今後はさらに拡大していく予定だ。
最も初期に華語教師として海外に派遣された張于忻によると、以前、海外で華語を教える際は孤軍奮闘しなければならなかったという。それが今では、海外で勤務する華語教師の手当も増え、教育部と僑務委員会による教育訓練も受けられる。これによって教える能力は高まり、学生も進歩するので、やりがいがあると言う。
2021年には僑務委員会の台湾華語文学習センターが正式に開幕し、2023年にはすでに66ヶ所に設けられている。アメリカに54ヶ所、ヨーロッパでは9ヶ国に合計12の華語文センターがオープンした。徐佳青委員長によると、今後4年以内にオセアニアやアジアなどに100ヶ所設ける予定である。華語文センターの主な対象は、華語を母語とする人ではなく、現地の18歳以上の学習者だ。
昨年ヨーロッパを訪問した徐佳青は、ドイツのハンブルグにある台湾華語文センターに、現地のエンジニアを対象にしたコースを設けるよう提案した。台湾では風力発電を積極的に進めており、半年から一年、台湾で働く外国人エンジニアが多いからだ。彼らが先に華語を学んでおけば、台湾での仕事や生活に役立つことだろう。
また、世界でトップのシェアを誇る台湾の自転車メーカーGIANTは、オランダだけでなく、ハンガリーにも大きな工場を設けており、そこでは東欧出身の従業員が大勢働いていて、言葉の壁が管理上の課題となっている。そこで徐佳青は、ハンガリーに駐在する台北代表処の劉世忠大使の手配でGIANT社を訪れ、人事などの管理部門に対して、華語学習コースを設けることを提案した。教員は僑務委員会が派遣でき、これは社員への福利厚生にもなる。
「台湾は、世界の華語学習市場のニーズを受け止めることができます」と徐佳青は言う。台湾では経済発展によって海外に工場を設立している企業が多く、そこには華語学習の需要があるだけでなく、華語人材の不足も問題となっている。
徐佳青は、30年前にドイツに留学していた際、20ヶ国余りを旅したが、当時は台湾を知る人は非常に少なかったと言う。それが昨年、2度にわたってヨーロッパを訪問し、12ヶ国を回った時には、行く先々で例外なく各国の官僚や市民から歓迎され、関心を寄せられ感動したと言う。台湾は新型コロナのパンデミックの際に多くの国にマスクを寄贈し、また半導体チップの製造能力でも脚光を浴び、ウクライナの戦争から台湾海峡情勢も注目されるようになった。世界市場に大きな変化が起こり、台湾の注目度が高まっているのである。アメリカのカリフォルニア州のある市からも、台湾による華語学習の「市役所コース」を設けてはどうかという話が出ている。「台湾は絶えず経験を蓄積しており、すでに準備はできています。Taiwan can help。華語を学ぶなら台湾に来てください」と徐佳青は語った。

海外の華僑学校における華語課程では、生き生きとした授業を通して学習意欲を高めている。(僑務委員会提供)

台湾に華語を学びに来れば、台湾の文化や地理、社会なども理解できる。(僑務委員会提供)