ホテルはギャラリー
豪門大飯店は2000年にオープンして以来、口コミや紹介で顧客が増え、その特色ある照明設備でも知名度を高めてきた。宴会を開いたり顧客を接待したりする時、東莞の台湾企業はまずこのホテルを選ぶ。ここは彼らにとって「台湾の誇り」なのである。
ホテル内は階ごとに照明のテーマが異なる。東莞で最も特色ある建築物と言われるここの内部では、常に青銅器、中国画、油絵、アフリカ風彫刻などが展示されている。視覚的な美感を高めるために、豪門大飯店では設立準備の段階から専門のアートディレクターを招聘し、芸術品の開発とコレクションを任せた。これは大陸のホテル業界では初めての試みだ。「青銅器は西安で注文した他、すべての作品は芸術家に依頼して作ってもらったものです」と芸術センターのマネージャーを務める黒竜江省出身の斉人さんは言う。
4年来、ホテルの成長とともに芸術品のコレクションも拡張してきた。アフリカ風の銅彫から敦煌壁画のレプリカ、それに書や水墨画など、1000点を超える作品が248部屋に飾られている。「どの部屋も違う装飾が施されています」と斉人さんは説明する。
1999年まで、珠江河口に位置する虎門鎮は純粋な貨物港で、スリースターのホテルもなかった。1989年に東莞に移転した瑩輝燈飾グループは虎門の将来の発展に眼をつけ、人民元3億元をかけて台湾資本のみによるファイブスターのホテルを設立したのである。
珠江河口に開かれた虎門は、歴史的に常に争奪の目標であり、東莞のメーカーにとっては香港に通じる門戸でもある。2003年9月には、香港−虎門の海上客運フェリーが就航し、それまで貨物輸送の門戸だった虎門は一躍ビジネスマンが行き交う街となり、市内の交通もますます渋滞するようになった。
東莞で最も美しいファイブスターホテルとして台湾人顧客を集めるために、豪門大飯店では台湾の郷土料理を提供している。ビジネスセンターには東莞で最も完備した台湾メディアの情報が揃い、すべての客室のテレビでは台湾のCATVが5チャンネル以上見られる。
「ただ、台湾の特色という点ではこれらは決して重点ではありません」と話すのは台湾人マネージャーの張麗芳さんだ。「設立準備から今日まで、豪門大飯店の精神的指導者であるランディス台北の厳長寿氏の理念こそ、私たちの成功の鍵なのです」と言う。

大陸市場の成長を見込んでホテル経営を始める台湾企業が増えている。左の2枚は宝成製靴グループが投資した東莞黄江鎮の裕元花園酒店、右の2枚は豪門大飯店だ。