外交手段となる電動自動車
近年の世界的な電動自動車ブームについて、「強力なIC設計力を誇る台湾は、実際はリードを奪っているほどなんです」と語る簡董事長、これには理由がある。
成運汽車製造(Master Transportation Bus Manufacturing、以下「成運汽車」)は、今回の博覧会で自社開発したバスを会場に持ち込んだ。多くの人の注目を集めたこのバスは、台湾で初めて独自設計・研究開発・製造された電動バスであるだけでなく、外交を拡大するための新たな利器でもあるのだ。
成運汽車の呉忠錫総経理は、当時、次期大統領として台湾を訪問したパラグアイのサンティアゴ・ペーニャ大統領が自社バスに乗車しているビデオを見せてくれた。パラグアイ国旗をイメージしてデザインされた電動バスは、工場輸出の形で、パラグアイで製造される予定だという。
呉総経理は、単に自動車を輸出するというこれまでのやり方は、今や歓迎されないと指摘する。各国はメーカーを現地化し、その国の税収や雇用率を高めたいとの思惑があるため、パラグアイへは工場ごと輸出する方法が選ばれた。また、パラグアイはメルコスールの加盟国であるため、これも台湾の電動バスが南米市場に参入する最良の出発点になるだろうとのことだ。
南米だけでなく、全世界に目を向けている成運汽車は、将来の市場としてインド、日本、アメリカを視野に入れており、特に会場で展示されているバスが右ハンドル車であることから、日本市場進出がすでに目前であることがわかる。成運汽車の電気バスは2025年の大阪万博で主要な輸送手段のひとつになるだけでなく、同社の製品に関心を寄せている業者は、すでに契約を締結し、数百台規模のバスの入れ替えを予定しているという。
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パラグアイのペーニャ大統領(中央、撮影当時は次期大統領)と電動バスに試乗する外交部の俞大㵢常務次長(左)。(提供:成運汽車)