幸福の秘訣
金メダルを取った話になるとほほ笑むラウニオ代表は、示唆に富んだ話をしてくれた。国連が発表する「世界幸福度報告」で、フィンランドは8年連続して1位の座にあるが、これはフィンランド人がいつも笑顔でいるという意味ではないと言う。重要なのは、フィンランド社会が公平と正義、資源の共有といった理念を堅く守り、貧富にかかわらず、等しく質の高い教育が受けられる点にある。こうしたシンプルな要素が国民の幸福の基礎になっているのである。
フィンランド人は正直で率直、控えめで思慮深いという印象がある。「私たちは誠実さと正直さを大切にしますので、最初は付き合いにくいと感じるかもしれませんが、長く付き合い、フィンランド人に信頼されたら、頼りになる生涯の友人になれるでしょう。ただ、信頼を裏切ったら終わりです」と言う。
この誠実さという点で台湾人とフィンランド人は似ているとラウニオ代表は言う。「どんなことであれ、約束を守ります。『できる』と答えたことは、必ずやってくれるだろうと信じることができます」と。ラウニオ代表は、こんな日常の観察を話してくれた。カフェに行くと、台湾人の多くは高価なスマホをテーブルに置いて席を確保し、それから注文しに行く。これは、置いてあるスマホを盗む人はいないという社会の信頼があるからだ。「このような誠実さは、他の多くの大都市では実現できないことです」と言う。
フィンランドは世界でも一人当たりのコーヒー消費量が最も多い国だが、ラウニオ代表は、台湾にもおいしいカフェやスイーツ店がたくさんあると言う。台湾ではフィンランドのように一日三食ライ麦パンを食べることはないが、ラウニオ代表はお気に入りの台湾の料理を中国語で挙げてくれた。担々麺、鍋貼(焼き餃子)、牛肉捲(小麦粉の生地で牛肉のスライスを巻いた料理)、火鍋などを注文すれば、失望することはなく、台湾では食事に困ることはないという。
ラウニオ代表は、どこに行っても現地の歴史と文化を尊重し、あらゆる物事の背後にある理由やロジックを理解しようと試みる。これが氏の生活態度だという。まさにフィンランド文化の「sisu」こそ、フィンランド人の幸福の秘訣なのではないだろうか。

2022年のEnergy Taiwan台湾国際スマートエネルギーウィークで、フィンランドパビリオンは、ネットゼロを目指す台湾産業界の参考になる革新的なソリューションを披露した。

フィンランドの「Festival X」で演奏した高雄市国楽団。台湾の音楽の力をフィンランドに伝えた。(高雄市フィルハーモニック文化芸術基金会提供)

2024年、台北-北欧サステナブル・エネルギー・フォーラムで、フィンランドの経験を発表するラウニオ代表。