スポーツイベントと台湾の景観
陳美燕さんはまた自転車ロードレースの「ツール‧ド‧台湾」を例に挙げる。「ツール‧ド‧フランス」に倣ったレース名だ。
ツール‧ド‧台湾は多くの都市を結び、美しい山や海、農村、客家の集落、仏光山、石門ダムなどの観光スポットも通るため、台湾全土の風景を満喫できる。
陳美燕さんは、デンマークに滞在していた時、この大会を中継するテレビ画面の上に「Tour de Taiwan」の文字が出ているのを見たという。ヨーロッパのスポーツチャンネルEurosportsは、世界100ヶ国以上に20言語で放送されている。また、台湾のGIANTとMERIDAは世界的な自転車メーカーである、両社がスポンサーとなっているため、ツール‧ド‧台湾の知名度も高まり、台湾の選手も力を伸ばすことができる。
ツール‧ド‧台湾は、UCIアジアツアーの中でも世界ランキングのポイントが獲得できる大会となり、各国のプロチームが多数参加するようになった。ヨーロッパの選手は、競技の合間に台湾生まれのタピオカミルクティや鼎泰豊の小籠包を楽しむこともできる。
競技をしながら美しい景観も楽しめる大会としては、毎年12月に台東の金樽漁港で開催される国際サーフィン大会「台湾オープン‧オブ‧サーフィン」も挙げられる。WSL(ワールドサーフリーグ)ワールドツアー開催地の一つであり、海外からも有名選手が集まってくる。北東からの季節風が起こす良い波と、「台東ブルー」と呼ばれる美しい海にひかれ、大勢のサーファーがここに長期滞在している。台東の観光産業や経済にとっても大きなメリットがあり、世界のサーフィン界における台東の知名度を高めている。

WMG2025の開催期間中に松山文創園区では博覧会も開かれ、スポーツとテクノロジー、文化、サステナビリティを融合した没入型の体験を提供した。