今月のカバーストーリーは、台湾を背景とした最近の文学作品と、海外で出版されている台湾の書籍をご紹介する。その内容は、歴史、文学、ミステリーなどさまざまだ。また台湾の特色ある独立系書店にも注目したい。各地で読書を盛んにすることで、書店がコミュニティを支える力になっている現象もご覧いただきたい。
「沈没船には二つの側面があります。一つは歴史物語、もう一つは豊かな生態です」と金鐘賞を受賞したプロデューサーの李景白は私たちのインタビューに語った。退役した軍艦を、漁業署が人工漁礁とするために初めて沈めた萬安艦や、戦車揚陸艦として古寧頭戦役で功を立てた中栄艦、蘭嶼八代湾の沈没船、凌雲鑑など、これらの人工漁礁が海の生態を豊かにし、海中の生き物と沈没船が独特の景観を生み出している。
もう一つ海洋生物と深く関わるのは台湾の海洋生物保護ネットワークとウミガメ保護センターだ。毎年ウミガメが浅瀬に乗り上げる事故は100件に上り、政府と地方、学術機関が協力して助けている。現場での救護、ケアのための収容、分析、指導などが分業体制で行なわれており、生命を重視する海洋国家の物語が綴られている。
海を隔てたフィリピンと台湾の間には、先住民族同士のつながりがある。政治大学民族学科主任の官大偉は光華の取材にこう語った。「かつての南向政策は経済面に重きを置いていましたが、新南向政策は、まず人的・文化的に深い関係を築き、真の友人となって互いを尊重してこそ経済面でのつながりも堅固なものになる、という考えです」と。両国におけるオーストロネシア文化に関する研究や、現代社会における伝統文化の扱いなど、異なる点もあり、深く考える価値がある。
今月号は、台湾各地のホステルもご紹介する。「ホステル周辺の路地には、金物や裁縫用品、ゴム・プラスチック製品などを扱う古くからの商店が並び、それらの間に台湾伝統のB級グルメを売る店も混じる。ホステルから円形の範囲内にナイトマーケットや歴史的スポットも点在し、いずれも徒歩で回れる」と言う通りである。
独立系書店、沈没船、ウミガメの保護、台湾とフィリピンの先住民、ホステルなど、今月の『光華』の記事は、地域性もあり国際性もある。重要なのは、発展していく道で皆が一緒に努力し参画していくことなのである。