達人の秘密の技
こうして復元された台湾堡図の完全な地図は、中央研究院のサイト「台湾歴史文化地図」で見ることができる。これに関する葉高華の快挙は、3年の時間をかけて466枚の堡図に描かれた2991の街と庄の境界線をGISを用いてデジタル化したことにある。それにはどのような意義があるのだろう。
日本時代の総督府は非常に豊富な統計資料を持っており、これらの資料は当時の行政区画別に記録されていた。従って、堡図の一部が欠けたままで、行政区画の境界線が分からず、またそれがデジタル化されていなければ、これらの統計は全島を単位としてしかとらえられず、地域別の分布状況をとらえることはできないのである。
葉高華はGISを利用して、街や庄の境界線をデジタル化したことにより、日本時代の統計を地域別に詳細に示すことができるようになった。こうして出来たのが「1930年本島女性纏足率」である。これは昭和5年(1930年)の「国勢調査」の数字を街・庄別に地図に入れたものだ。これによって、空間的な纏足の分布状況がとらえられるようになった。
これは現在、地図の達人である葉高華だけが持つ独自の技術なのである。