ルールをしっかり理解する
このように地方の高校は繁星計画を大歓迎しているが、地方の高校では生徒たちの学科能力試験の成績はあまり高くないため、学校での成績順位が高くても台湾大学、清華大学、交通大学などに合格者を出すのは難しい。こうした面で、より大きな期待を抱いているのは都市部のセカンドグループの高校である。昨年は、台北市の内湖高校、万芳高校、明倫高校と台北県の新店高校が、それぞれ繁星計画で7〜8人の合格者を出し、大きな成果を上げた。
「生徒のために最大の権益を獲得するという理念はどの学校も同じですが、実施面がまだまだです。特に繁星計画では内容や規則の説明だけで分厚い一冊になっているので、時間をかけて分析しなければ完全には理解できません。残念なことに一部の学校の事務の方々は、この計画をまだ表面的にしか理解していません」と内湖高校の呉正東校長は指摘する。内湖高校では昨年、校内の各部署が緊密に協力して各大学の学部学科ごとの繁星計画の条件を一条ずつ明確化し、学科能力試験の成績と校内での成績順位に従って、最もふさわしい生徒を一人ずつ選び出して推薦した。
第二段階の、生徒が志望校を選ぶ方法もユニークだ。内湖高校では学内の成績が上位から5%の約40人を講堂に集め、大学名と学科名を書いた赤い細長い紙を用意して、成績のランク順に生徒が自分が入りたい大学を取っていくという方法を採った。この方法は非常に効率がよく、結果的に同校は21人を推薦して7人が合格した。合格者数では、台中県私立立人高校の9人、台北市万芳高校の8人に次いで3位だった。
「私は台湾大学だけが最良の選択だとは思いませんが、生徒に実力があり、機会があるのであれば、学校には彼らを送り込む責任があると思います」と呉正東校長は言う。
もう一つ、多くの学校が明らかにしたがらないが、生徒の実力と合格できる大学を精確に予測するコツがある。それは台湾北部高校連合模擬試験の受験者約2万人のランキングだ。これを見ると、自校の生徒と同じ成績の者が何人ぐらいいるかわかり、これを利用して競争の激しいところを避ければ、十中八九合格できるという。
戦略:人気学科は選ばない
今年、繁星計画に参加する国立と私立の大学は25校まで増えて募集人数も2.2倍の1742人になり、台湾大学、清華大学、交通大学なども定員を増やした。教育部は、今年から参加する私立中原大学に対して、採用する100人の学生については公立大学の基準で学費を納めさせるよう要求している。また各大学の学科ごとに合格条件は異なり、ルールはますます複雑になっている。
だが昨年は、143人(21%)が繁星計画で合格した後に、「掛け持ち」の一般の推薦入試で別の大学に入り、繁星計画の貴重な枠が無駄になってしまった。そこで今年からは、すでに繁星計画で合格した生徒は、その他の推薦入試や四年制科学技術学院への入学申請をしてはならないこととした。
また、教育部の積極的な働きかけにより、今年は少なからぬ大学で学科能力試験の合格ラインが下げられた。例えば政治大学では、昨年は5教科がすべて前標(上位12%以内)であることを条件としていたのを、今年は総級分が前標に入っていればよいとした。全体的に、真ん中よりやや下のランクの高校が有利になるが、より多くの学校や生徒が繁星計画の枠を狙うようになり、競争は激化すると見られる。
では、繁星計画で生徒を合格させようと考える高校は、今年はどのような戦略を立てるべきだろうか。昨年のデータが参考になる。
大学の多元的入学プランの蔡閨秀顧問によると、昨年、清華大学では学科能力試験が58級分の生徒を7人合格させた。通常の推薦入試の場合、この点数では決して清華大学には入れない。ここ3年で初めてトップ大学12校に生徒を合格させた高校の数を見ると、台湾大学に合格者を出したのは5校、清華大学は24校、交通大学は22校、政治大学は4校、中山大学は19校、台湾科学技術大学は32校だ。台湾大学に合格者を出した高校の数は少なく、一方、清華大学、交通大学、中山大学は多くの高校から合格者を受け入れている。
台湾大学の場合、昨年は40人の枠に対して504人が応募した。「台湾大学は常に注目され、特に有名進学校からは熱い視線が注がれます」と蔡閨秀顧問は指摘する。セカンドグループの高校の生徒は、在学中の成績が全校で1位でない限り、台湾大学の枠を争う競争では有利とは言えず、他の大学を選んだほうがいいと言う。
この他に、志望学科を選択する際にも、人気学科かどうかを考慮した方がいいようだ。昨年を例に取ると、台湾大学農芸学科、中興大学農芸学科、成功大学測量・空間学科などでは、枠を設けていても申請者がいないという現象が生じた。実に残念なことである。今年は、繁星計画に参加する学科が増えるため、人気学科にどのような変化が生じるかは観察に値する。
競争に勝つために
繁星計画は、全台湾の高校生のために国立大学への進学機会を増やすというものだが、合否の鍵を握っているのはやはり筆記試験の成績だ。
現在の大学進学ルート――繁星計画、学校推薦、指定科目試験による分配などを見て、内湖高校の呉正東教授は次のように分析する。筆記試験の成績が常に安定している生徒は、自分がどのランクの大学に入れるか分析しやすく、どのルートでの進学を選んでも失敗が少ない。球技のシュートと同じで、どこからどう攻めてもゴールを決められる確率が高いのである。
一方、筆記試験の成績が良かったり悪かったりと安定しない生徒は、その変化に一定の原因がないかどうか分析しなければならない。例えば定期試験の成績が悪い場合、睡眠不足とか体調不良、あるいはたまたま苦手な分野が出題されたなど、原因を分析する必要がある。これをしないと、合格する確率を掌握できず、さまざまな進学ルートを試みなければならなくなる。
「成績がごく普通で特に得意なところがない生徒は、どのルートを選択しても難しいものです」と呉正東校長は言う。学科試験の成績が良くない生徒は、受験の過程で次々と淘汰されてしまう。そのため、生徒たちの挫折を受け止める力を養っていくことも、高校教育の重点の一つだと校長は言う。
非常に複雑な繁星計画に直面し、うまく戦略を立てられる高校ほど勝算があるようだ。しかし、この新しい制度が僻遠地域の高校に希望を与え、その学校運営の情熱とレベルを高めていくことができるかどうか、この点により多くの努力が注がれなければならない。