お気付きだろうか。毎朝、街角で飯団(中華風おにぎり)や豆乳を売る朝食店、バレンタインデーに長い列ができる花屋、雰囲気のいい喫茶店、スポーツジム、それにブティックやアクセサリー店などの可愛らしい店の多くは、女性が経営していることに。
女性経営者は早くからさまざまな業種に進出しているが、2004年には前年より5600人増えて8万7000人に達し、過去最高を記録した。これに自営業者を含めると、女性が経営する会社は42万社以上、中小企業全体の36%を占め、しかも増加傾向にある。
かつて、台湾の起業家に占める女性の数は非常に限られており、夫の事業を継いだ裕隆グループの呉舜文会長がパイオニアだった。だが、今では情報産業からサービス業まで、さまざまな分野で女性起業家が成功している。威盛電子の王雪紅董事長、欧徳名品の何玉玲・総経理、フィットネスクラブ・アレキサンダーの唐雅君・董事長などの名前は誰でも知っている。
常に注目されるのは大資本の大企業だが、実際に台湾経済を支えているのは小企業や自営業者だ。台湾では、中小企業120万社の8割が従業員5人以下の零細企業で、その多くを、夫や父などの保護の下を抜け出し、職場や台所を出た女性たちが経営している。
白いシャツに黒いパンツというすっきりしたいでたちの陳以瑜さんは、政府青年輔導委員会が低所得や一人親などの女性のための起業準備を支援するために開いた記者会見に出て、自分の経験を語った。会見後、彼女は取材に訪れたマスコミ記者を誘い、自分のベンツを運転してドライブに連れて行ってくれた。この車も自分で稼いだ成功の一つである。
陳以瑜さんが経営しているのはドライフラワーで飾られた「傻;大姉花材苑」だ。2ヶ月前に中山北路の120坪、家賃16万元のアトリエを引き払い、農安街に移ったばかりである。こちらは家賃が4万元と安いので、苦労して稼いだお金を家賃に持っていかれることもなく、思いのままに創作に取り組めると言う。
アトリエの壁に飾られている作品「山」は、陳以瑜さんがドライフラワーを額縁の中にレイアウトしたお気に入りの作品だ。壁には花材や葉材や枝などで作ったランプシェードや壁時計、装飾品などが飾ってあるが、これらは彼女の作品の一部に過ぎない。作品の多くは、台北各地のSPAやデパートのショーウィンドー、温泉旅館などに飾られている。例えば、農安街にあるニュージーランドの化粧品を扱う店は白くて明るい店舗だが、天井からは葉や花が垂れ下がっていて、それと照明を上手に組み合わせることで、ニュージーランドの空気や陽光を感じさせている。

イギリスのグリーン企業、ザ・ボディショップも女性が興した会社で、30年にわたって天然の成分と環境への配慮を理念としてきた。今では世界に2000を超える店舗がある。写真は台北の汀州店だ。
自分の道を行く
創業から16年、陳以瑜さんはよく成功の秘訣を聞かれるが、彼女は自分の荒れた手を見つめながら「自分でも分からないことがたくさんあるんです」と言う。
アーティストらしい大胆な性格の彼女には、家での主婦としての生活は向いていなかったのかもしれない。13年間の結婚生活は彼女を縛り付けるものだった。
離婚する時、夫からは「十分な金をあげるから子供は置いていくように」と条件を出されたが、彼女はそれには同意せず、子供を連れて家を出た。
収入を得るためにダンスを教えたり公務機関で働いたりしたが、子育ての出費は増えていき、子供たちには綺麗な家に住ませてあげると約束していた。そんな頃、親戚の経営する花屋を手伝うことになり、しおれた花が毎日大量に捨てられるのを目にして「花の美しさを留める方法はないものか」と思ったのがきっかけになった。
だが、陳以瑜さんは花材加工については何も知らなかった。そこで英語の辞書を引きながら化学の専門書を読み、pH値や化学物質などの専門用語を勉強していった。真夜中に、化学薬剤を並べて自分で調合しながら、花材の乾燥、脱色、染色、軟化、保湿、防腐、防湿などの実験を繰り返した。薬剤の調合を間違えて発火し、あわててバケツの水で消したこともある。
創業当初、彼女は台北県三重市に十数坪の家を借り、居間を工場に、食卓を作業台にして孤独な作業を続けた。多くの人は「ドライフラワーに市場はないから、あきらめたほうがいい」と言ったが、彼女は自分のセンスを信じて新たな世界を創っていった。自分の手を薬剤に浸して花びらや葉や種子を染めてグラデーションをつけ、乾燥した花と葉脈だけになった葉を組み合わせ、鉢や花瓶に生けたもの、屏風、ランプシェードなどを作っていった。それらを生花店や生け花教室、ディスプレイデザイナー、インテリアデザイナーなどに販売したのである。「市場がない」というのは、言いかえれば競争相手がいないということを意味し、彼女は知名度を高めていった。
また、彼女が自分でインテリアをデザインした自宅が2年前にインテリア雑誌で紹介され、マスコミが彼女の創業の物語を報道すると、インテリアデザインの依頼が次々と舞い込むようになった。家賃の安いアトリエに移った今は、月に1〜2件のインテリアデザインを引き受けるだけで楽に生活できるという。
「起業は大変ですが、思ったほど難しいものではありません。ただ苦労を恐れていてはできません」と50歳近い陳以瑜さんは言う。従業員を雇って大量生産を試みたこともあるが、化学薬剤は臭いが強くて毒性もあるため、長続きする人がいなかった。ドライフラワーの製作は非常につらい作業なのである。

陳以瑜さんの代表作数点。アトリエにある歓迎の壁飾り、ドライフラワーをあしらった壁時計、化粧品店の壁面デザイン。
社長夫人ではなく経営者
陳以瑜さんは台湾に30万人余りいる「経営者兼従業員」の一人であり、彼女たちは伝統の枠を抜け出して、経済的に自立した現代の新女性でもある。
行政院主計処の統計によると、1990年、女性が経営する企業と女性の自営業者は台湾企業全体の16.7%を占めていたが、2002年にはそれが20.9%に上昇、昨年は36%に達した。自営業者より少ない女性企業経営者は20年の間に2倍に増えている。1982年、台湾企業における女性経営者は3万人だったが、2004年には8万7000人に達している。
では、なぜ起業を志す女性が増えているのだろう。彼女たちにはどのような優位性があり、またどのような困難が待ち受けているのだろうか。
もともと起業が盛んな台湾では中小企業が経済の主力であり、2001年に中小企業の数は100万を超えた。半世紀にわって産業は男性中心の世界だったが、それまで女性は参与していなかったのだろうか。
1999年に東海大学社会学科の高承恕教授が中小企業100社を訪問調査した際、どの企業でも背後に女性の力を感じたという。それは経営者夫人の力である。中小企業経営者の妻は、家族企業において資金調達や社員採用などの面で経済活動に参画してきた。これらの女性の存在を抜きにして台湾の経済成長を語ることはできないと高教授は言う。
社長の背後にいる社長夫人は、経営の力強いパートナーであり、台湾企業において女性は常に経営に参画してきたのだが、表舞台に立つことがなかっただけである。起業における女性の力は男性に劣るものではなく、ただ機会と資源が不足しているに過ぎない。

ジェンダー・メインストリーム
2000年の政権交代の後、青年による起業を指導する青年輔導委員会の主任委員に学界出身の林芳玫;氏が就任した。林主任委員は、国連女性開発基金が主張する「ジェンダー・メインストリーム化」の思考を取り入れた。
ジェンダー・メインストリーム化というのは、ジェンダーの観点を公的分野に取り入れることを指し「女性とジェンダーへの関心を、従来の福祉、救済、人身保護などの分野から公的分野全体へと広め、普遍的な価値にすることである」と林芳玫;氏は述べている。政治や経営、職場での昇格や給与など面におけるさまざまな男女不平等は、資源取得や政策決定への参画などにおいて女性が弱い立場に置かれてきたことから生じる。そこで、実際の行動プランにおいては、各種政策の基礎となる論理と公的資源分配の構造において、男女のニーズに同等に応えていく必要がある。
こうして青年輔導委員会が女性の起業をバックアップする「飛雁プロジェクト」が始まった。青年輔導委員会は40年にわたって青年による起業を指導してきた。以前は対象を20〜45歳の青年とするのみで、性別に関しては定めていなかったが、長年にわたり、起業説明会や融資申請、融資成立などの人数では女性の方が少なく、世界の潮流とはギャップがあった。その主な原因は、既存の起業プランが女性のニーズに合わない点にあったと林芳玫;氏は指摘している。
2000年、青年輔導委員会は大々的に女性起業支援プロジェクトを打ち出し、まず座談会や試験的カリキュラムからスタートした。3年目から実務中心の専門的カリキュラムを開始し、これまでの7年間で女性参加者は7000人を超える。委員会の設けた女性起業育成サイトでは、女性起業家の体験談などが読めるほか、店舗の探し方、融資の申込み方法、会社設立の方法などについての情報も提供している。

女性が起業したエステサロングループ「完美主義」では従業員の99%が女性だ。同社はベテラン社員が自分の道を歩めるよう、3年前から本社で起業指導を行なっている。写真は完美主義の大直加盟店、社長の黄敏さん(中央)は以前マスコミの仕事をしていたが、6年前に辞職して自分の会社を興した。
女性による起業ブーム
長年にわたり「飛雁プラン」の講師を務めてきた蘭盈国際管理公司の鄧;雲暉さんによると、当時は現実に迫られて起業を試みる事例が多かったという。不景気による夫の失業、天災や事故などの原因が多く、家庭の主婦たちが生計を立てるための起業を迫られていた。その多くは、自宅の近所で美容院や朝食の店、移動式弁当屋を開くか、あるいはフランチャイズに加盟したいといった希望で、30万の融資で始められる事業が中心だった。
しかし2003年に状況は大きく変化する。自己実現のための起業を志す高学歴の若い女性が次々と現れたのである。
「中には私たち講師よりしっかりした考えの人もいて、私たちは方向付けを助けるだけでした。彼女たちは、試しに起業について学んでみようかというのではなく、起業をライフプランの中にきちんと位置づけているのです」と鄧;さんは言う。
昨年は、こんな事例があった。30代の会社勤めの女性がネットで母親の料理を販売していて、それを事業化して独立したいと考えていたが、会社の同僚が主な顧客なので、すぐには会社を辞めることはできないという。
この他に、自分の好きなことを仕事にしようという人も多い。趣味でアクセサリーデザインをしていた人が、その作品が一部の人に非常に人気があるというので、これを事業化しようと考えた。ただ手工芸品は大量生産できないため、少量多品種の創意を柱にしてやっていくしかない。鄧;さんによると、最近増えているパッチワーク教室、ダンス教室などは、自分の得意分野や趣味を仕事にする典型的な例だ。
同じく「飛雁プラン」の講師を務める台湾在宅・小型企業協会の張庭庭事務長によると、今回の女性起業ブームにはもう一つのタイプがあるそうだ。職場で少なからぬ経験を積んだが、昇進に大きな壁を感じた女性が、会社を辞めて自分の空間を持ちたいというものである。
コンタクトレンズや眼科医療器機の代理店に勤めていた林怡君さんは、4年前に夫の資産運用コンサルティング会社が倒産して千万単位の負債を負い、ノイローゼになってしまった。二人目の子供が生まれたばかりだった彼女は、ベランダから跳び下りることまで考えたが、母親からの電話と子供の泣き声で我に帰ったと言う。

スキルと人脈
当時、医者をしている友人が癌になり、抗癌剤治療で苦しんでいた。その心身の痛みを癒してあげたいと考えた林怡君さんは、ネットで外国の天然ハーブに関する資料を探してみた。そして十数年来の人脈を活かし、アメリカのブランド、ジュース・ビューティーの銀杏茶やカモミールの入浴剤、ローズオイルのシャンプーなどを見つけた。
このメーカーとの一年余りにわたるコミュニケーションを通して、林さんは2年前に台湾における代理権を取得し、友人から20万元を借りて会社を興した。妹が責任者になり、彼女はマーケティングと教育訓練を担当している。現在の社員数は7人、商品は主にSPAや美容院に卸しており、月の売上は最初の30万元から1年後には100万元に成長した。現在この会社「純萃;有機生活館」の資本金は500万元だ。
かつて林怡君さんはノイローゼに苦しみ、暴飲暴食で体重は80キロに達していたというが、今の彼女からはそんな過去があったとは想像できない。33歳の彼女は、家族の支えがあったから会社を興せたと話す。当初は夫から「夜も寝ずに何をしているのか」と責められたこともあったが、代理権獲得までの厳しい交渉を経て、今は借金返済の目途も立ち、夫も林さんのことを、当時とはまるで別人のようだと言う。
しかし、この林さんのようにわずか2年で経営を軌道に乗せられるケースは多くない。
2年前にIT企業でのデザインの仕事をやめた張翠華さんは、長年コンピュータに向って根を詰める仕事をしてきたため、片腕を傷めてしまった。「横になって腕を圧迫すると、まるで200度のオーブンで焼かれているような激痛が走り、その痛みで目が覚めるほどなので、寝るのが恐くなり、リハビリの効果もあまり出ませんでした」と言う。友人に紹介されて気功を始めてから少しずつ回復してきたという。
腕の痛みに苦しんでできた彼女は、他人に幾度も修正されるデザインのような人生は送りたくないと考えて職場を後にし、大学の夜間部で経営学を学びながら、どんな店を経営しようか考えることにした。餃子の店、ジュースバー、複合型書店、スパゲッティ屋など、いろいろな店を考えたが、いずれも資金がかかり、リスクも高いし、自分には専門知識が欠けている。
そんな中で、韓国ドラマ「大長今」を見ている時に思いついた。キムチは台湾でも広く好まれており、健康志向にもマッチする。自分でも漬物が作る彼女は、キムチを作れる友達を探し、防腐剤や色素や甘味料などを加えない健康志向のキムチを作って販売することにした。
だが、難しいのはそれをどう売るかである。
大学夜間部の200名余りの同級生は彼女の良い顧客だが、1瓶150元するキムチは生活必需品ではないため売上は限られている。そこで、電話帳に広告を出している会社に一つ一つ電話をかけて試食品と注文書を送ってみたところ、半数の会社から注文が入ったこともある。
これほど積極的に営業しても、月の売上は5万元に過ぎず、原価や経費を差引くと利益は1万元余りに過ぎない。独身なので生活費はかからないが、プレッシャーは大きい。スーパーに置かないかというオファーもあるが、保証金や在庫や返品の管理なども必要で、資金のない彼女はまだ決心できずにいる。

「生活のための起業」から「知識型の起業」へ、女性の経営者と自営業者は増え続けている。朝食店や美容院、ブティックや花屋など、いたるところで女性経営者が活躍している。
ロマンと現実
「起業の過程に起伏はつきもので、どこまで粘れるかにかかっています。すべて順調にいったとしても、一年目は模索と調整、二年目は発展、三年目に安定成長という経過をたどります」と話すのは、自らも起業の経験を持つ台湾在宅・小企業協会の張庭庭事務長だ。
張庭庭さんは留学する前、中国生産力センターでPRや企画、雑誌編集などの仕事をしていた。その頃、自分はこんなに働いているのに、なぜ週に2日しか出勤しない兼任顧問より給料が少ないのか、と疑問を感じていた。その後、留学してMBAの学位を取り、帰国後に経営コンサルタントの会社を興した。そして起業に関する雑誌を発行したが、雑誌は4年間で1000万の赤字を出してしまい、雑誌発行をやめて起業指導を行なうことにしたのである。現在、有料会員は80人、年会費は約10万元だ。
昨年、青年輔導委員会が「ビジネス・ネクスト」雑誌に依頼して行なった「若い女性の起業意向調査」を見ると、1200人の回答者のうち、20〜50歳の女性の8割が起業を考えており、その多さに驚かされる。主な理由は「夢の実現」と「月給取りの生活を抜け出したい」というものだ。だが、女性は起業に対して大きな夢を抱き過ぎてはいないだろうか。
張庭庭さんによると、多くの女性は職場での昇進の道が絶たれていると感じ、また毎日変わらぬ仕事に倦怠感を覚えている。が、主婦として過ごすのには甘んじられず、家庭と両立させられる事業を興したいと考える。一方、若い女性の多くは自分の趣味を仕事にして裕福になりたいと考えている。しかし「趣味」は入口に過ぎず、それをさらに広げて発展させていくことができなければ、すぐに行き詰まってしまうという。
張庭庭さんは、起業には少なくとも三つの能力が必要だという。一つは、核心となる専門性だ。例えば、園芸やケーキ作りといった趣味を、他の人にはできないレベルにまで発展させることができるかどうかが問題である。次は経営の専門能力である。例えば、原価管理や立地評価、会計・帳簿などの技術である。もう一つ必要なのは周辺の専門能力である。事業に必要なコンピュータや外国語の能力、コミュニケーション技術などが必要となる。
例えば、多くの女性はコーヒーが好きだから、綺麗でゆったりとした喫茶店を開きたいと考える。しかし、店舗探しから、入荷、在庫管理、料理を出すかどうかなどの実際の問題にぶつかると、その夢も消えてしまう。

社長夫人ではなく自らが社長になる。多くの女性が自分の夢を実現しようと頑張っている。
雇用機会創出に貢献
労働委員会の統計によると、台湾の中小企業の平均存続年数は13.9年だが、この統計には経営者の性別の項目がないため、女性社長と男性社長のどちらの会社が長続きするのかは分からない。
いずれにせよ「女性は起業市場において潜在力のあるグループです。昨年は女性の自営業者は小幅に増えましたが、男性自営業者は2万5000人も減っています」と中華経済研究院台湾経済研究所の王素彎所長は言う。
ただ、42万社に上る女性経営者の企業の売上総額は3兆2866億元(2003年)に過ぎず、全企業の売上の13%を占めるにとどまっている。その原因は、女性が経営する企業の73%がサービス業に属し、資本金は100万元以下、平均売上は840万と、男性経営者の企業の平均売上2840万元の3割ほどに過ぎない点にある。
王素彎さんによると、既婚女性の多くが起業を考えているが、夫の支持が得られない場合、家庭と事業との間で苦しむこととなり、成功は難しいという。また、女性は資金調達の面でも男性より困難が多く、家族が起業のために女性に資金を出すことも少ないため、自分のわずかな貯蓄で始めなければならない。
青年輔導委員会の統計を見ると、過去10年の間に同委員会に申請された融資総額は129億元に達し、1万3156人が融資を受けている。そのうち男性が68%(融資平均額は100万元)、女性が32%(融資平均額は94万元)だ。融資を受けた女性の割合は1986年の16%より上昇しているが、それでも男性より低い。
女性が経営する企業が創出する経済価値は男性のそれより低いが、失業率の高い時代、女性の多くが経営するサービス業が創出する雇用機会は逆に多いと指摘する学者もいる。
中央大学経済学科の朱雲鵬教授は次のように指摘している。台湾の産業はエレクトロニクス産業と製造業を主としており、その工業部門を見ると、30億元の投資で創出される雇用機会は1000人分に過ぎない。12インチウエハー工場の場合、700億から1000億を投資して生まれる雇用機会は1000人分に過ぎない。一方、小売業や飲食業などの場合は6億の投資で同じだけの雇用機会を創出できるのである。したがって、台湾の景気を全面的に押し上げるには、大規模なハイテク産業がリードするだけでなく、多くのサービス業を発展させ、両者をともに育てていくべきなのである。
ハイテク産業は少ない社員数で高い利益を上げるため、少数の富裕層を生み出す。内湖、新竹、中部、南部などのハイテクパークの周囲にはパークに勤務する新富裕層をターゲットとするサービス業が次々と生まれている。

「生活のための起業」から「知識型の起業」へ、女性の経営者と自営業者は増え続けている。朝食店や美容院、ブティックや花屋など、いたるところで女性経営者が活躍している。
夢に向って
「女性起業家の多くはビジネスの拡大は求めず、多くは自分がコントロールできる範囲の業種に従事します。女性にとっての成功の定義は男性のそれとは違い、野心や度胸なども男性ほど大きくはないため、逆に失敗しても金銭上の損失はそれほど大きくありません」と鄧;雲暉さんは男女の違いを分析する。男性にとっての成功の定義の共通性は高く、それは金銭や権力、達成感などである。男性にとって、起業は自分の将来を全て賭けるようなものだが、女性は現実を考慮し、より慎重に行動するという。
男女平等が求められる時代、両者の相違はしだいに曖昧になりつつある。夢を抱いた女性起業家たちは、国家経済に大きな影響をおよぼすことはないかも知れないが、彼女たちは、ケーキに立てられた一本の蝋燭のように、自分自身とその周囲を照らすのである。

女性が起業したエステサロングループ「完美主義」では従業員の99%が女性だ。同社はベテラン社員が自分の道を歩めるよう、3年前から本社で起業指導を行なっている。写真は完美主義の大直加盟店、社長の黄敏さん(中央)は以前マスコミの仕事をしていたが、6年前に辞職して自分の会社を興した。

「生活のための起業」から「知識型の起業」へ、女性の経営者と自営業者は増え続けている。朝食店や美容院、ブティックや花屋など、いたるところで女性経営者が活躍している。

陳以瑜さんの代表作数点。アトリエにある歓迎の壁飾り、ドライフラワーをあしらった壁時計、化粧品店の壁面デザイン。

創意とアイディアに満ちた若い女性たちは、会社勤めをしながら起業の可能性を探っている。多くの場合、手作りの商品をフリーマーケットで売ることから始める。

アーティストらしい雰囲気を持つ陳以瑜さんは自分で会社を興して16年、ドライフラワーの染色からデザインまで一人で行ないつつ、子供を育ててきた。彼女は自分の成功を誇りにしている。

女性起業家の野心とポテンシャルは男性に劣らない。アレキサンダー・グループの唐雅君董事長は2003年に青年創業協会設立34年目で初めての女性総会長となり、2005年には二期目に入って新たな記録を作った。

社長夫人ではなく自らが社長になる。多くの女性が自分の夢を実現しようと頑張っている。

家計を支えるためでなければ、この母親も、子供を背負いながら屋台を押して商売をすることはないだろう。

陳以瑜さんの代表作数点。アトリエにある歓迎の壁飾り、ドライフラワーをあしらった壁時計、化粧品店の壁面デザイン。

「生活のための起業」から「知識型の起業」へ、女性の経営者と自営業者は増え続けている。朝食店や美容院、ブティックや花屋など、いたるところで女性経営者が活躍している。

社長夫人ではなく自らが社長になる。多くの女性が自分の夢を実現しようと頑張っている。

女性起業家の野心とポテンシャルは男性に劣らない。アレキサンダー・グループの唐雅君董事長は2003年に青年創業協会設立34年目で初めての女性総会長となり、2005年には二期目に入って新たな記録を作った。