汚名を洗い流す:友洗社創
同じくコロナ禍で誕生したのが、ホームレスの人々だけを雇用する高圧洗浄の「友洗社創」だ。長年にわたって弱者に関心を注ぎ、『做工的人』を著した作家の林立青は、コロナウイルスの影響でホームレスの人が増えているのを目の当たりにし、行動に出て会社を興すことにした。
「弱者が立ち直る最良の方法は、技能を持ち、社会から必要とされる人になることです」と林立青は言う。高圧洗浄機で路面を洗浄すれば、その効果は一目でわかり、洗浄する者も達成感を得られる。しかも道具は一つだけで、その操作を習得すれば、この技能を頼りに自立できる。
友洗社創は今年初めに創業し、林立青はこれまでにホームレスの人々を率いて、台北の西門紅楼や紀州庵文学森林、聖心女子中学、大稲埕の霞海城煌廟、艋舺教会などの屋外を洗浄してきた。汚れが落ち、きれいな地面が見えてくると、林立青は、彼らが懸命に働く姿を多くの人に見てもらいたい、その汚名を晴らしたいと思うようになった。ホームレスの人の多くは、努力しなかったわけではなく、努力しても貧困を抜け出せない境遇に置かれていたのである。
雨の多い基隆では、学校のグラウンドや路面に苔が生えて滑りやすくなっている。友洗社創の仲間たちは、生徒の安全を心配し、誰も転んでケガをしないうちにと、基隆の10以上の学校の路面洗浄を行なってきた。会社の制服を着て学校内の路面を洗浄する彼らを見ると、生徒も教員もお礼を言い、声をかける。これが、かつては家を持たなかった彼らに達成感とプラスのエネルギーをもたらすのである。
こうした変化を多くの人に見てもらおうと、林立青は、長年にわたって非行少年の指導をしている逆風劇団と協力することにした。家庭の要因で学校を中退したり、授業についていけない青少年にも技能を身につけてもらおうと考えたのである。友洗社創のメンバーと一緒に学校に行き、子供たちの安全のために床や地面を洗浄することで、少年たちも人助けをする側になる。こうして技能を身につけていく過程で、彼らは人生は変えられると感じるようになる。

浪人食堂のメンバーが心を込めて飲料を作れば、黄金色のお茶の中に希望が見えてくる。