天からの贈り物ではない
ノービザ待遇の獲得は、どの国でも非常に困難な過程だった。ちょうど100ヶ国目となったマレーシアの場合、我が国は2002年に同国に30日のノービザ待遇を付与したが、長年にわたり、不平等な状態が続いていた。
「ノービザ待遇を与えない理由として『一つの中国政策』などが挙げられることは受け入れられません」と話す楊外相は、これらの国を説得する際、こう話した。正式な国交がある国以外に我が国にノービザ待遇を付与している国々は、それぞれ自国の「一つの中国政策」を有している。彼らにできるのになぜ貴国にはできないのか、と。「国際交流は双方向のものです。現在の中華民国は国際社会において正視されることを要求できる位置にあることを考えてください」と説得した。
今年、マレーシアはついに善意を示し、我が国の国民に15日のノービザ入国を認めた。しかし、外交部はより良い条件を求め続けている。
114番目にノービザ措置を認めたイスラエルは、外交環境が特殊なため、出入国の安全検査が非常に厳しい。イスラエルに駐在する張良任・代表によると、我が国の民主政治と良好な治安が決定に大きく影響し、また両岸関係の改善も同国が我が国との関係を強化する安心要因になったと言う。交渉のために担当者はテルアビブとエルサレムを50往復もした。イスラエルがノービザ待遇を付与しているのはヨーロッパ、アメリカ、日本、韓国、フィリピンなど世界の50余ヶ国だけだという点からも、これが容易ではないことが分かる。
こうして2008年に馬総統が就任してからわずか3年で、ビザなしで訪問できる国は54ヶ国から117ヶ国まで増えたのである。
アメリカでの実現に期待
現在の目標はアメリカだ。911同時多発テロ以来、アメリカは国土安全保障を非常に重視しており、ノービザ待遇には条件がある。――その国のビザ申請却下率が3%以下であること、生体認証のできるIC旅券であること、本人によるパスポート申請が行なわれていること、パスポートの遺失や盗難、テロなどの情報が共有できることなどで、我が国はこの大部分を満たしている。台湾では、パスポート遺失を届け出てから48時間以内に見つかれば継続使用可としていたが、アメリカ側は48時間で変造が可能だとしており、外交部は遺失後に発見された場合は使用できないことにした。
牛肉輸入の問題が解決されないと難しいのではないかとの声もあるが、外交部はビザと他の議題は分けるという方針を貫いており、アメリカは国土の安全保障を第一としているので、来年には正式決定する可能性が高いと楊外相は言う。
「台湾の政治、経済、人道援助、技術などは世界に知られており、100以上の国がノービザ待遇を認めたことは、我々が人々を感動させ、尊敬されていることを証明しています。世界からの好意を大切にしなければなりません」と楊外相は言う。