高額賞金で女子ゴルフを育成
性別の壁を打破した勇気あるゴルファーは、ひょんなことから国内女子ゴルフの重要な推進役を担うことになった。
その鍵は、スウィンギングスカート基金会会長・王政松である。師範大学美術学部を卒業した王は、長年美術品のコレクター・美術商として販売を手がけ、文化の豊かさを大切にしてきた。王と妻の邱鳳玉は大のゴルフ好きで、台湾のゴルフ界に貢献したいと考えていた。
そうした中、2011年、邱鳳玉は台湾女子プロゴルフ協会(TLPGA)のコーチから、台湾から世界の女王ヤニ・ツェンが出たものの、国内女子ゴルフは競技の開催数も賞金規模も海外とは大きな落差があり、選手の質を向上させるのが極めて難しいという話を聞いた。
そこでスウィンギングスカートのメンバーと話し合い、共同でTLPGAに寄付金を出すことにした。前例を超えて賞金金額が1千万元以上の女子ゴルフ大会を開催することを目標に据えた。
しかし豪語したはいいが、彼ら素人はプロの競技会開催の難しさを知らなかった。賞金の準備に加え、会場手配、チケット販売、指定宿泊先、送迎手配、メディア宣伝、スポンサー探しなど、煩雑な支出と事務があった。
また、高額賞金を出すからには、それなりのレベルの選手が出場しなければ話題にならない。台湾のトップ選手だけでは明らかに不十分なので、外国人選手の魅力に頼らねばならない。だがスウィンギングスカートは民間団体で、オフィシャル団体のバックアップも知名度もない。LPGAの公認大会でもないから、選手の招請は困難を極めた。
「最初は招待状を送っても、なしのつぶてでした。エントリー・フィーを巻き上げる詐欺グループではないかと疑われたこともあります」と王は苦笑する。
そこで何とかしてスター選手に台湾に来てもらうために、賞金総額を100万米ドルに引き上げ、更に著名選手には「出場料」を支払うことにして、参加意欲増大を働きかけた。さらに、あらゆるコネクションを利用して日本や韓国の女子プロゴルフ協会や世界最大のゴルフマネジメント会社のIMG (International Management Group)などオフィシャル団体や民間組織に協力を求めた。
それに加え、スウィンギングスカート・チャリティートーナメントで初めてスカートを穿いてプレーをしたヤニ・ツェンが、国際大会に参加するたびに、繰返しスウィンギングスカートを宣伝して知名度を高めたことが功を奏して、なんとか海外の選手も台湾での大会参加に意欲を示すようになっていったのである。
半年にわたる努力を経て、2011年、スウィンギングスカートが初めて主催する「女子ゴルフ国際招待トーナメント」に、世界ランキングトップ10のスター選手が多数出場することになった。これが世間をあっと驚かせ、台湾ゴルフ国際競技史上の新記録も打立て、ゴルフファン数万人を林口ミラマー・ゴルフクラブに呼び込んだ。
スウィンギングスカートの大会規模と選手の顔ぶれは、国際の一流水準に引けを取らない。

スウィンギングスカート・ゴルフチームは世界のスター選手をマスターズに招待してきた。右上から順にアニカ・ソレンスタム、ポーラ・クリーマー、そして2013年のマスターズで優勝したリディア・コ。