「足を伸ばせ!」「腰を落とせ!」と大声で指示する郭昇監督は、一つ一つの動作と態度に厳しい要求を出す。彼は、景美女子高校の鬼コーチであり、精神的な指導者でもある。
師範大学体育学科を出た郭昇さんは、2003年に景美女子高校の綱引きチームの指導を開始して以来、2010年のイタリア・インドア大会、同年の南アフリカ・アウトドア大会、2012年のスイス・アウトドア大会、2014年のアイルランド・インドア大会、2018年のスウェーデン・アウトドア大会、2017年のポーランドでのワールドゲームズなどでチームを率いて金メダルを獲得した。
しかし2018年、彼は武嶺で飲酒運転のトラックにぶつけられて転落し、重傷を負ってしまった。頸椎を損傷し、多くの医師から全身麻痺と診断された。しかし彼はあきらめず、家族や生徒たちに支えられ、痛みをこらえてリハビリに取り組み、指先しか動かなかったところから、立ち上がれるまでに回復した。
そうした中、景美女子高校の黄贇瑾・元校長が再び彼を綱引きチームの監督として招き、あらためて生きがいを見出すことができたのである。生徒たちが懸命に努力する姿がさらにリハビリに取り組む力となった。「何としてもチームを強くしたい」という思いで、マイクを使わなければ声が伝わらなかったのが、今は力強い指示が出せるまでに回復した。そして昨年はチャリティマラソンで1キロを完走し、その姿は選手だけでなく、多くの人を感動させたのである。

綱引きが生徒たちにもたらすのは世界チャンピオンの栄光だけではない。態度と規律、人生に対する向き合い方こそ一生の力になると郭昇監督は語る。

事故で重傷を負った郭昇監督だが、決してあきらめないという綱引きの精神で乗り越えてきた。全身麻痺から立ち上がれるようになり、チャリティマラソンにも参加し、選手たちの手本となっている。(景美女子高校綱引きチーム提供)

郭昇監督は選手たちに、細部まで高いレベルの動きを要求しており、選手たちはメンタルも鍛えられる。

景美女子高校チームの気迫に満ちた動きはぴったり合っていて全員が一体化している。

郭昇監督(一番左)は、数々の国際大会で我が国の代表チームを優勝へと導いてきた。名実ともに金メダル監督である。(中華民国綱引運動協会提供)