国境のない高速鉄道
台湾の南北を結ぶ高速鉄道は、土木、軌道、基地施設、駅舎建築、機電系統など、さまざまな分野の多数の英雄に支えられてきた。中でも大きな力となったのは、海外からの協力と経験のシェアであろう。
台湾高鉄の建設に携わった国内外の企業は4000社を超え、建設、設計、監督などに関わった技術者は5000人を超える。建設段階では26ヶ国のエキスパートが台湾に駐在し、高速鉄道の建設に協力してくれた。
台湾高鉄の全長350キロにおよぶ土木建築、橋梁、トンネル、駅舎建築、メンテナンス基地などの工事は、わずか4年9ヶ月で終了した。「台湾高鉄探索館」には、それらの工事に関する説明があり、携わった国々の文化的特色も展示されている。例えば、ドイツ企業と台湾の大陸工程公司が協同で請け負った最長の八卦山トンネル(7357メートル)の工事期間中は、工事の安全を祈願してドイツの建築の守護神である聖バルバラを祀っていた。また、林口トンネルの工事に加わった日本の建設会社は、山の神を祀って酒と塩を撒き、最後の掘削で出た岩を「貫通石」として御守りにするといった伝統も見られた。「台湾高鉄探索館」では、こうした多様な文化に関する解説もあり、これらに関する記念品は高鉄の文物として収蔵されている。
台湾高鉄探索館の一角には、各国の技術者や作業員が使ったヘルメットや、台湾駐在のための就労許可証や健康保険証なども展示されている。タイから働きに来た人々の宿舎にはタイの国王と王妃の写真が飾られていた。これらも高速鉄道建設の過程における忘れてはならない歴史の一部分なのである。
台湾高速鉄道は非常に台湾的であり、また国際的でもある。建設工事には多くの国が参加し、台湾の建設会社はこれを通して最新の技術や管理思想を学ぶことができた。技術面では、各国の専門家同士がどのようにコミュニケーションをとり、どのように問題を解決したのだろう。こうした経験も、台湾の国際化と国際交流に大いに役立つものと言えるだろう。

台湾高鉄探索館にある列車の模型では、子供たちも運転士の気分を味わうことができる。