ソメモノイモ染めとイカの一夜干し
漁村では人口流出と高齢化が進んでおり、基隆の7地域は「農村再生計画」に加わっている。基隆市は、八斗子や長潭などの地域の母親や若者のグループを育成し、不定期に漁村体験活動を打ち出している。
夜釣りに参加する前に、昼間は陸地でサバやイカなどの種類を学び、解剖して構造を理解し、さらにそれを調理して食べられる。また、小巻や中巻、透抽と呼ばれるイカの一夜干しを作ることもできる。
基隆市産業発展処の蔡馥嚀処長は「ソメモノイモ」を使った植物染め体験も推薦する。かつて、漁網を手編みしていた時代、人々はソメモノイモを使って漁網を染めていた。この植物で染めた漁網は強度が増し、破れにくくなるという。
今では漁網はナイロンなどで作られているが、地域の文化チームは、ソメモノイモ染めの文化を守り、観光客に体験の場を提供している。ソメモノイモの汁で布を煮て染めた後は、草鞋を履いて海辺へ洗いに行く。
昔の漁村には、滑り止めの靴などなかっため、漁村の女性たちは藁で編んだ草履を履いて潮間帯で海藻やトコブシ、貝などを採り、家計の足しにしていた。
八斗子産業観光促進会の創設者で総幹事の藍麗齢さんは、学校の課外学習や一般の人々にも漁村体験を勧める。イカを解剖して一夜干しを作ったり、ソメモノイモ染めや潮間帯での草履を体験したり、また古い漁法である扒手網にチャレンジするなど、いずれも夏に人気の海洋文化活動だ。最近は英語でのガイドも提供しており、交換留学生も体験しに来ている。

和平島の社霊廟が行なう「海上遊江」は、基隆市の民俗文化遺産に登録されている。