ラッピング列車で国境を越えた友情を
2018年、桃園MRTは南海電鉄と協力し、第一弾となる特急ラピートのガンダムコラボラッピング列車を発表した。車体は桃園MRT独自のパントンパープルを基調に、拉拉山、大渓老街、石門水庫などの風景を描き、桃園らしさを表現した。翌年には阪神電鉄と提携し、客家花布をテーマにした列車がデザインされた。台湾文化やグルメ、桃園の特色を盛り込み、民間信仰を象徴する太子爺や神輿、台湾の味を代表する湯包やタピオカミルクティーが描かれた。床面は古民家の瓦やケンケンパ遊び(跳房子)を模したデザインで、遊び心も添えられた。
2023年には京成電鉄と共同で、桃園MRTのマスコットであるルリチョウの「鶇鶇(ドンドン)」が案内役を務めるラッピング列車を発表した。列車は成田、上野、羽田を走り、桃園の文化的風景を紹介した。京成電鉄は台湾でも、スカイライナーをイメージした青と白の「風」シリーズ列車を運行させ、鉄道ファンの注目を集めた。
そして今年は、桃園MRTと南海電鉄が「相互ラッピング列車」プロジェクトを始動した。「発見! 台湾・桃園の魅力号」と題した日本側の列車には、桃園の27の名所が描かれている。この列車は日本で空港線と南海本線を走行し、2025年の大阪・関西万博を訪れる海外からの旅行者に、桃園の四季折々の風景を伝えた。台湾側では「南海電鉄号」として、大阪の通天閣や高野山、堺市など関西の名勝を、手描きの漫画風デザインで車体にあしらい、関西文化の活気を伝えた。
桃園MRT企画処副処長の游進俊さんはこう話す。「日本の方々はラッピング列車への愛着が強く、たとえば阪神線で長く親しまれた客家花布列車は、運航終了を惜しまれていました。また、日本でこの列車に偶然出会った多くの台湾の旅行者たちは、車体に大きく書かれた“TAIWAN”の文字を見て、郷愁を感じたんです」
もちろん、色鮮やかな列車だけでなく、実用的でお得な国際連携乗車券も旅行者から高い人気を集めている。桃園MRTは南海電鉄、桃園国際空港、関西国際空港と共同で「台湾・大阪旅行乗車券」を発売した。これは空港と鉄道のサービスを組み合わせた便利なチケットとして好評で、日本のメディアでも取り上げられている。さらに最近では、韓国・仁川空港鉄道(AREX)と共同で初の「台湾・韓国旅行セット券」を発表し、双方は現在、次の段階の協力を模索している。
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台湾や桃園の風景を描いたラッピング列車は、コロナ禍でも“MRT外交”を推進し、台湾と日本の友情をつないできた。(桃園捷運公司提供)