アジア美術館での特別展
アジア美術館のジェイ・シュー館長は、故宮博物院との縁を語ってくれた。
アジア美術館は1966年、シカゴの企業家アベリー・ブランデージ氏から7000点余りのコレクションの寄贈を受けて設立された。ブランデージ氏が中華の美術品に興味を抱いたのは、1935年に国民政府が紫禁城のコレクションをロンドンへ送り、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで展示されたことがきっかけだという。
後に、ブランデージ氏は台湾の霧峰も訪れた。当時、故宮の文物は北溝山に掘られた洞窟に保管されており、当時の葉公超・外交部長に伴われてそれらを見学したことからも、氏の故宮文物への思い入れが分かるというものだ。現在、その美術館で故宮の美術品が展示されるということには特別の意義がある。
シュー館長は、30余年にわたって美術館での経験を積んできた。プリンストン大学で中国古代美術の修士・博士の学位を取得し、上海博物館やメトロポリタン美術館、シアトル美術館、シカゴ美術館などに勤務してきた。
特別展開幕記者会見の当日、シュー館長は故宮の何傳馨副院長とともに世界各地から来た記者を中国語と英語で案内した。西洋メディアに展示品を理解してもらうため、シュー館長はさまざまな物語を引用して紹介した。個人的に最も期待している展示品は、と問うと、それは長い時間をかけなければ話しきれないと答えた。
アジア美術館のジェイ・シュー館長は故宮コレクションに造詣が深く、6年をかけて特別展実現に奔走してきた。