早朝4時30分、夜明け前に出発する。台北市の大佳河浜公園のランドマーク「希望の泉」まで自転車で移動して、朝日が昇るのを待つ。自転車旅行の始まりだ。
「太陽が大地を照らす瞬間、『わあ!なんという美しさだろう』と感動しますよ」これは、「五感」で感じるサイクリングを推奨している台湾楽活自転車協会の創立者・林惠忠が、早朝の安らかな川辺の静けさと差し込む朝日の衝撃に、自然と発した称賛の言葉だ。
また「基隆港で、基隆嶼から昇る朝日を防波堤から眺めると、ひときわ美しい!」とも語る。
台湾は自転車製造大国としての産業基盤を持つ。台湾交通部と地方自治体は協力してサイクリングロードを整備した。2012年、台北市は率先してCO2排出量の少ない自転車レンタルシステムを実用化し、サイクリングブームの火付け役となった。現在はワンウェイレンタルのサービスがあり、多くの景勝地、観光地にも民間の自転車レンタル店がある。利用者がいつでも利用できて、非常に便利である。
「台北市と新北市、さらに各地方自治体が整備したサイクリングロードは、台湾全土で9,354kmに達します」と語る交通部次長・陳彦伯によると、台湾のサイクリングロードは徐々に整備が進んでおり、自転車ブームが盛り上がっている。サイクリストによって数多くの秘境が開拓されることで、自転車の旅がさらに多彩になった。
そこで交通部は、台湾を一周するサイクリングロードを主軸に、13個所の国家風景区と各地の観光スポットを連結した。そこに鉄道路線を組み合わせ、海岸、河岸、山間、山岳、田園、離島の6タイプに分けて、16本の特色あるサイクリングロードを整備した。さらに「台湾騎跡」というポータルサイトを開設し、サイクリングロードの紹介と自転車レースやイベントなどの情報発信を行っている。朝方から夕方まで、都市から地方の集落まで、山から海まで、全てにサイクリングロードが通っていて、思うままに台湾を駆け巡る喜びと、現地に深く分け入る楽しみに満ちている。
ライダーが限界に挑戦したくなる、パンプトラックのレースコース。