歴史ある小さな街を訪ねて
2025 / 5月
時代の変化に伴い、台湾では文化的に特別な意義を持つ数々の町が生まれた。長い歴史と文化を誇る鹿港、鉄道の歴史が残る車埕、砂金採りからカトリック教会までさまざまな文化が融合した新城、そして最大の客家市場と物産の集散地として知られる竹東などだ。これら有形無形の文化遺産が台湾全体の発展の歴史をとどめ、台湾文化を紐解くカギを握っている。
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カバーストーリー
鹿港 時が止まったままの
閩南芸術の宝の街
かつて台湾で最も栄えた「一府(台南)二鹿(鹿港)三艋舺(万華)」の一つに数えられる彰化県の鹿港は、清の時代に大いに繁栄した歴史ある街で、ここで暮らす人々は強い意志をもって時代の流れに抗って......
神仙の郷 鹿港
その信仰と伝統工芸
決して広いとは言えない鹿港の町だが、この地域の歴史文化を研究する陳仕賢さんの統計によると、鹿港の町には60もの廟があり、信仰と祭祀が非常に盛んなことがわかる。中華民俗芸術基金会の林明徳董事......
車埕
山林の町の歴史と未来
集集大山の山脈に囲まれた車埕駅は、台湾では唯一海に面していない南投県にある。台湾鉄路集集支線の終着駅で、「最後の駅」とも呼ばれてきた。しかし、この駅は人里離れた秘境にあるわけではない。駅の......
記憶を留める
花蓮新城
かつての金鉱の町「九份」は有名な観光地だが、「花蓮の九份」とはどこかご存じだろうか。 やはり金鉱で栄えて「黄金の町」と呼ばれたものの、後には鉱業の衰退と幹線道路の迂回によって忘れ去られたよ......
竹東の記憶をめぐる旅
古き市場とハイテクの揺りかごが交わる時
新竹県の竹東といえば、多くの人が竹東市場の米を使った美味しい客家伝統料理や人情味あふれる雰囲気を思い浮かべるだろう。だがこの小さな町には、あまり知られていない産業の歴史もある。竹東は素朴な......