楽しいトッピング
豆花のトッピングは、昔の屋台から最新の店まで、それぞれが特色を打ち出している。甘く柔らかく煮たピーナッツと豆花とシロップの完璧な比率を追求してきたのは東門市場の江記豆花や公館の龍潭豆花などだ。
しかし「豪華」なものが好きな台湾人は、次々と新たなトッピングを開発してきた。タピオカや緑豆、小豆、ハトムギ、タロイモ団子、キンモクセイソース、白玉団子、甘く煮たタロイモなど、選ぶのに困るほどバラエティ豊かなトッピングが用意されている。
シロップの濃さもさまざまだ。寧夏夜市の「豆花荘」では、豆花の上に特製のサトウキビシャーベットをのせる。嘉義で人気の豆花店では、シロップではなく、豆乳をかけて出す。
南部の老舗豆花店の多くは、さらっとしたシロップではなく、蜜状の濃いソースをかける。高雄の「塩埕呉家金桔豆花」では、白い瀬戸物の器に豆花を3回すくって入れ、おたま一杯分の濃い蜜を豆花がひたひたになる程度にかける。蜜の金桔(キンカン)の香りが豆花の味わいを奥深いものにしてくれる。
台南の「同記安平豆花」にはレモン豆花というメニューがある。オーナーが小さな急須から新鮮なレモンジュースを豆花にかけてくれ、甘みと酸味の中にさわやかな香りが加わる。ただ、レモンを豆乳や豆花に入れることはできない。豆乳のタンパク質がレモンの酸に触れると、化学変化が起きてしまうからだ。
成益さんが、外国人観光客が多い台北市永康街で観察したところ、日本人では豆花を気に入る人が多いが、韓国人は半々だという。韓国人は麻婆豆腐や豆腐キムチ鍋などの方を好むようだ。