>
王船を焼き 平安を祈る
文・林格立 写真・林格立 翻訳・山口 雪菜
3月 2019
夜明け前、屏東県東港の鎮海公園の砂浜に、各地から多くの人が集まってくる。「東港迎王平安祭典」のクライマックスである。8日にわたり、天に代わって下界を見回った千歳爺を天庭にお送りする日である。王船にさまざまな物資を載せ、帆柱を立てて帆を揚げる。号令とともに錨を上げて爆竹に火をつけると、炎に包まれた王船の千歳爺は疫病を連れて天へと昇っていく。
王船を焼く。
荘坤儒撮影
東港の7つの地域から集まった神輿担ぎが海辺で千歳爺をお迎えする儀式を行なう。(荘坤儒撮影)
古めかしい衣装と帽子をつけた班頭と呼ばれる世襲の役割。(荘坤儒撮影)
悪運や病に見舞われた信者は、自らに枷を付け、王爺に無病息災と家運隆盛を祈る。(荘坤儒撮影)
古礼に則って王爺に拝礼する神輿担ぎ。
色とりどりの衣装を身につけた神輿担ぎが王船を曳いて東港の街を練り歩く。
ホウ・シャオシェン―― 制限があるから自由になれる
侯孝賢(ホウ・シャオシェン)は台湾映画の代名詞である。 せりふは数えるほどしかなく、画面は暗く、人物は感情を内に秘め、写実の美が貫かれる。侯孝賢の映画は、深く静かな流れの中に力がみなぎり、......
春節——光陰の足跡
時は流れ、また新しい一年がやってきた。......
12年、描いたデザイン画は数万枚 『黒衣の刺客』美術監督―― 黄文英
達人は、ずいぶん前から台湾映画の「武林」にいた。マーティン・スコセッシ監督が台湾に来た時も、協力対象に彼女を指名したというのに、彼女は刺客・聶隠娘(ジョウインジョウ)のように、あくまでも控......
侯式美学――最も困難な真実の構築
カンヌ国際映画祭監督賞と式典後のカンヌ・サウンドトラック賞を受賞した『黒衣の刺客』は、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督、舒淇(スー・チー)・張震(チャン・チェン)主演、音楽担当・林強(リン......
台湾東海岸
自転車で行く台11号線
海岸山脈を間に挟み、中央山脈と太平洋に囲まれた花東地区(花蓮県と台東県)は、昔から台湾の「後山」と呼ばれ、その地理的環境から大自然に抱かれてきた。またここは、外から来る人々を受け入れている......
台湾一の女神——媽祖の祭り
旧暦の3月、台湾各地で年に一度の媽祖の祭典が行なわれる。多くの廟の媽祖が「進香」のために廟から出ると、通りでは住民がこぞって神輿をお迎えし、信者と触れ合う。中でも台中の大甲媽祖と苗栗県通宵......
徐家の栄光と継承
台湾剣道の発展
剣道に言う「一本」とは、有効な打突による得点だが、より深い意味では気勢、気迫と竹刀さばき、体さばきが一体となり、完璧な一撃を生み出すことである。これを気剣体の一致と言う。 台湾の剣道は日本......
開港百年を迎える南方澳に 新たな文化と自然の輝きを
開港百年を迎えつつある古い漁港――南方澳は、今や大きな転換期に直面している。沈みゆく夕日のように、往年の輝きの名残りを華やかな色彩とともに放ち、やがて夜のとばりが落ちるのを待つ。だが夜は再......