感動の体験
2024年のエスワティニでの活動では、現地の小学校のほかに、台湾の慈善団体「阿弥陀仏感懐中心(阿弥陀仏ケアセンター)」が運営する圓通学校を訪れ、孤児院の児童を含む400名の生徒にコンピューターの授業をした。曽韋婷さんとテクノロジー管理学院4年生の李芷薫さんが感じたのは「エスワティニの人々はとてもフレンドリーで親切です。国民性なのかもしれません。生徒も素朴でかわいい」ということだ。
2024年、台湾外交部(外交省)はタンザニア全土を、強く渡航自粛を求めるレッド‧レベルに指定したが、今年(2025年)は北部をオレンジ‧レベルに下げた。清大国際志工団は今夏、ケニア、エスワティニ、タンザニア、そしてモザンビークを訪れる計画だ。2025年のタンザニア訪問の副リーダーを務める李芷薫さんは「タンザニアにはパソコンを昨年は90台、今年は100台輸送。今夏は現地教師の指導に重点を置き、取り入れられるよう願います」と語る。
パソコン輸送を担当した李睿珊さんと張媛さんは、何度も税関に足を運んでケニアとタンザニアへの輸送を完了させた。「卒業後は海運業界で就職するか自分で海運会社が開けるほど、輸送業務に詳しくなりました」と誇らしげに笑う。
今夏エスワティニ団のリーダーを務める曾韋婷さんは、かつて一人の小学生が彼女の手を握って「この前のような授業を次はいつ受けられますか」と尋ねてきたのが忘れられないと言う。「こうした感動があるから、今年も再びアフリカに行こうと思うのです」
ボランティアに参加する学生一人一人に、自分なりの感動を体験してほしいと曾さんは言う。この感動こそが、清大国際志工団の活動を持続させ、台湾の温かさを世界に広げていくのだろう。

国際志工アフリカ団は、パソコンを実際に使用して学ぶ経験をケニアの生徒に与えている。

国際志工団はエスワティニで現地の文化や風俗を体験する。