「ひとつひとつの映画やドラマは変わりゆく台湾の姿を伝えており、台湾を知る窓になる」。今月の『台湾光華』のカバーストーリーは、台湾旅行に来るいくつもの理由をお届けする。映像作品のロケ地探索、自転車の旅おすすめのコース、山林のトレイルと海岸をむすぶ素晴らしい体験、それに中医学と西洋医学を統合した治療を受る医療ツーリズムまである。どんな手段で移動する人にも、自分らしい旅の方法が見つかることだろう。
台湾の美食も忘れられない旅の思い出となる。今月号では北部の客家集落の名産品「酸柑茶」をご紹介する。蒸しては天日に干すという作業を9回も繰り返し、さらに3年間熟成させることで、芳醇な味と香りが生まれる。台湾のパン職人は海外のコンクールでしばしば受賞している。彼らは日本と欧州のパン作りを融合させ、そこへ地元の食材や創意を加えることで、台湾らしい味を生み出している。
今月号では台湾の大学のUSR(大学の社会的責任)プロジェクトを見ていく。どのように専門知識を活かして地域の問題を解決するか、という課題である。「台湾の学生はカンボジアを訪れて初めて、SDGsの目標6『安全な水とトイレを世界中に』の重要性を実感できたはずです」と暨南大学土木工学科の陳谷汎教授は、同校のUSR計画の状況を語る。
インドネシアのスラバヤ工科大学、ウィドヤ・マンダラ・カトリック大学、ベトナムのカントー大学など多くの海外の大学が、国立台湾科技大学のUSR計画「行動するエンジニア」と手を組み、インドネシアのスラバヤや東ジャワ、ベトナムのカントーなどで地域を変革しようとしている。
今月号では、インドで事業を展開する台湾の太思科技(Taisys)も訪問した。また、10回目を迎えた、外交部主催のショートフィルムコンペ「全民潮台湾」もご紹介する。林佳龍・外相はコンペ開催の祝辞でこう述べた。「皆が台湾独自のDNAを探しています。人も国も同じようにアイデンティティを持っており、それらが共鳴し合い、組み合わさることで、お互いの生活が豊かになるからです」と。
『台湾光華』も数十年にわたって、真剣かつ忠実に台湾の発展の軌跡を記録してきました。内外の読者の皆様の長年にわたるご支援に感謝申し上げます。2025年も「台北国際ブックフェア」でお会いしましょう。