世界に進出する台湾企業
林総裁は「この研究開発センターはインドだけでなく、全世界のための研究開発センターなのです。我々はインドの需要を知り、インドで製造し、インドで販売します。そして次はインドから世界へと歩みを進めます。インドのスタッフが設計したものは、デルタ電子の製品開発に役立ち、その製品は全世界で販売できます」と語る。
研究開発に加え、製造も重要だ。林総裁によれば、すべての生産拠点で生産ラインが自動化され、そのための人材も育成されている。「産業自動化はもとよりデルタ電子の核心的能力です。スマートファクトリーによって、我々は『メイク・ イン・インディア』の目標を達成しています」
インドでの困難は、極めて細かく定められたインドの法規を詳しく理解しなければならないことだ。林総裁の挙げる例によれば、マン・マシン・インターフェースやコンピューターのモニターが免税対象かどうか、外国企業とインド政府の間で解釈が異なるといった問題がある。そこで中華民国駐インド台北経済文化センターの葛葆萱代表(大使に相当)は、台湾企業の支援にもなると、台湾とインドの自由貿易協定締結に向けて尽力し続けている。
林総裁は展示スペースにあるデモ自動化ラインや最新の電気自動車充電設備などを指し示しながら、現地人材を活用し、インドの変革や発展に合わせてカスタマイズした各種のアプリケーションやソリューションを提供することの意義を語った。それは、イノベーションや持続可能な発展における台湾企業の実力を示すだけでなく、台湾からインドに進出し、さらにグローバルに展開する企業の最良の例ともなる。

デルタ電子との協力により、インドのサストラ大学の修士課程で学ぶ優秀な学生が台湾の元智大学に1年間留学している。

インドへのデルタ電子の投資は、インドの人材の優位性を見込んでのことだ。