友好の力を育む
交流することで、双方の社会の経済や教育、文化、芸術などに新たな活力をもたらすことができ、また若い世代が協力して起業する機会も生まれる。IVLPは70年余りにわたって続けられており、これまでに20万人以上が参加してきた。彼らはアメリカでの見聞によって人生経験を豊かにできるだけでなく、帰国してからアメリカの良いイメージを伝え広める役割も果たす。
我が国の外交部が主催する国際青年リーダー研修もIVLPのこうした理念を参考にしており、直接の体験や対話を通して互いの理解を深めようというものである。
「現在、台米関係は30余年来で最も良い状況にあります。これをさらに前進させ、民間にも広げていきたいと考えています」と外交部の史亜平・次官は言う。台湾社会と華人文化に興味を持つ海外の青年に実際に台湾の文化や発展状況、生活スタイルなどに触れてもらい、国際社会において台湾に友好的な力を生み出したいのである。
多様な探索、全方位の理解
研修の名称はMosaic Taiwanである。これには、参加者が自分の目で台湾を見て体験し、最後にはモザイクアートのように一つ一つをつなげて自分自身の台湾のイメージを持ってほしいという意味が込められている。
3週間をかけて、参加者は台湾の自然景観や文化、政治経済などに触れた。
今回の日程では台湾の8つの県や市を訪れた。太魯閣国立公園から日月潭風景区、そして台東の鉄花村から宜蘭の不老集落や礁渓温泉まで訪れ、誰もが台湾の風景と文化に触れるのを楽しみにしていたと語った。
「Formosa!」長年にわたってアジア研究に従事し、台北、上海、北京などに滞在したことのあるニコラス・フリッシュさんは、フォルモサというのは想像力に満ちた美しい名前だと語る。目を閉じて自分が空から見下ろしていることを想像すると、太平洋上に険しい山が聳え、緑の山々と白い波の美しい風景が広がる。かくも美しい景色の中に、国際レベルの大都市があり、活発な経済活動が行なわれていることに驚かされると言う。
台湾は伝統の中華文化が保存されている土地でもあり、それと同時に多様なエスニックの文化も育まれている。また、故宮博物院や台東長浜教堂(教会)、大甲鎮湳宮などを見学して東西の文化が絶妙に融合していることも知った。彼らは農村も訪れ、農家の暮らしも体験した。
また、馬英九総統や蕭万長・前副総統、ザ・ランディス・タイペイの厳長寿・総裁など、我が国の政界やビジネス界のリーダーとも交流した。また台湾の青年起業家とのフォーラムも開催され、意見を交換した。
その内容は政策面にも触れた。学者による講演では、台湾海峡両岸関係、世界経済、台湾の健康保険制度、そして大きな話題になっていた「ヒマワリ学生運動」などにも触れた。
友好の輪を広げる
国際関係における各国の政策決定で主に考慮されるのは「利益」であり、交渉の場では、どの国も全力で自国の最大の利益を求めるものだ。しかし、交渉以外の場では、目に見えないさまざまな力が働いており、それが外交政策に影響をおよぼしている。その力には信頼や理解、好感などが含まれる。
外国人旅行者に対する台湾人の友好的な態度は早くから世界でも知られており、『ロンリープラネット』やニューヨークタイムズなどのメディアも、台湾を旅行先として推薦している。
台中ではホストファミリーの家に一泊し、それぞれの家庭が勧める観光地を訪れた。一般家庭の実際の生活に触れるのも良い経験となった。
ニコラスさんは、台湾には美しい自然があるだけでなく、おいしいものもたくさんあり、特にマンゴーや胡椒餅、永和豆乳が好きだと言う。
もう一人の参加者、サラさんは、語学学習のために台湾に来たことがあり、ナイトマーケットの屋台の味が忘れられなかったという。また多くの参加者が、好きな食べ物に台湾料理やかき氷、小龍包、パイコー飯などを挙げた。
近年、海外のメディアが台湾について賞讃するのは無料Wi-Fiの普及である。参加者たちは、海でも山でもネットにつながる便利さを実感し、旅先での経験をすぐにアップすることができた。
今年初めて行なわれた国際青年リーダー研修の後、参加者から周囲へとその効果が広がりつつあり、これは研修の長期的な目的でもある。外交部の史亜平次官は「今年成功したので来年も継続し、友好の力をどんどん広げていきたいと考えています」と語った。