気候変動という地球規模の課題に直面して、台湾の科学者たちは大自然の微妙な変化を観察し、革新的な方法をもって台湾の科学研究の実力を示し、その経験を世界とシェアしている。今月の『光華』カバーストーリーでは、「データ分析による防災」「洪水と共生するレジリエント・シティ」「食卓の種子保存運動」「海のサステナビリティ」「台湾の台風と地震」といった角度から、台湾がいかに科学技術を用いて「レジリエンス」を実現しようとしているかをご覧いただく。
国土の6割を森林が覆う台湾では、かつて大量の樟脳油やシトロネラオイルを輸出していた。屏東科技大学森林学科の楊智凱助教によると、早くも200年前に台湾のクスノキは世界に知られていたという。また、同じ品種の樹木でも生長環境や微気候の影響で異なる香りを持つ。今月号では、こうした台湾の香りもご紹介する。
2021年、40万人による投票で「真理大学建築群」が「淡水新八景」の一つに選ばれた。真理大学にはどのような古跡やスポットがあり、どのような物語があるのかお読みいただきたい。
今月号ではさらに、台北の「リトル・マニラ」と呼ばれる中山北路三段をご案内する。聖多福天主堂や金萬萬名店城、RJ Supermartなどが並ぶこの地域には100軒を超えるフィリピンの商店やレストランがあり、独特の文化的風景を作り出している。
政府と民間の協力と努力によって、台湾は口蹄疫の清浄地域に認定され、アフリカ豚熱の防疫にも成功した。今年(2023年)からは豚熱ワクチン接種を段階的に停止し、これに成功すればアジアで唯一、豚の三大伝染病のない国に認定される。台湾は、どのようにしてこれを成し遂げたのか、産業全体の向上のカギはどこにあるのか、取材班が現地からお伝えする。
花蓮にある越南故事書屋(ベトナム・ブックストーリーハウス)では、毎週土曜日にベトナム語の教室を開き、ダイバーシティを実践している。創設者の陶氏桂(ダオ・ティ・クエ)さんは裁判所などで通訳として働き、今年は学校10校を巡回してベトナム文化の講師を務める予定だ。異国から台湾へ嫁いできたその人生経験は、台湾をより多様なものとしている。
科学的に生活や災害の問題を解決する科学者も、行動と思いやりで地域のために働く慈善家もいる。台湾では、さまざまな業種の人々が、社会のために善の力を発揮している。『光華』を通して、これからも海外に向けて台湾のレジリエンスと感動の物語を伝えていきたい。