農業技術が発達した台湾では、長年にわたってたくさんの果物の品種を発展させてきた。中国から渡ってきたウメやスモモ、モモ、中央アジアのリンゴやブドウなどの温帯の果物、中南米のバンレイシ(釈迦頭)やアボカド、パイナップル、それに東南アジアのスターフルーツやアビウ、ランブータンなどが今では台湾の大地に根を張り、おいしい実をつけている。
気候と地理的条件に恵まれた台湾では、一年を通して四季折々のフルーツが楽しめる。優れた栽培技術を持つ農家の努力で、台湾フルーツの品質の高さは世界に知られている。「光華」今月号のカバーストーリーは、これら果物の産地を訪れ、育種や栽培から応用までを実地に取材した。また、我が国の農業技術団による対外支援の物語もご紹介する。
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今月号の「台湾をめぐる」シリーズは、昔懐かしい台北の記憶をたどる。レトロなスタイルを守るレストラン、百年の歴史を持つ古跡、時間が止まったままの路地裏、そしておいしい庶民の味など、あらためて振り返っていただきたい。また、春節気分を味わえる台南普済殿のランタンフェスティバルと、ドイツのレッド‧ドット賞を受賞した月津港のランタンフェスティバルの活力もお届けする。
このほかに「光華」取材班は南投県信義郷にある「食農教育民族植物館」を訪ね、台湾原住民族が常用する数十種の植物について理解を深め、集落と祭祀の物語を取材した。
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中央研究院を退職したばかりの李有成氏は、若い頃に書いていた詩を再び書き始めた。その作品「深夜回到漁村」は、故郷であるマレーシア、ケダ州の漁村へ帰り、世の中の変化を目にした後の気持ちを表したものだ。張貴興氏は、ゾウの林旺をテーマとした小説を準備中だ。台北動物園に来る前、林旺は第二次世界大戦中にビルマで軍に使役されていたのである。これらマレーシア出身の作家たちは、台湾の表現環境の中で、まったく異なる視点の作品を綴っている。また、最近の台湾漫画は歴史や郷土、民俗といったテーマを扱って注目され、台湾の創作環境の強みを際立たせている。
台湾では温室効果ガス削減のための民間のアクションも盛んだ。中でも博仲法律事務所は早くも2020年にカーボン‧ニュートラルを達成し、海外から多くの団体が視察に訪れている。この事務所はどのような具体的な行動でサステナビリティを実現したのだろう。「光華」は今月も実地の取材を通した深い報道をもって、台湾の素晴らしい物事を皆様と分かち合いたい。