「私の知る限り、台湾には神木(巨木)の群生地が少なくとも60カ所あり、アクセスしやすい棲蘭、司馬庫斯、鎮西堡などの群生地にも必ず『ボス』(胸高直径最大の木)がいますが、見つけるのは容易ではありません」と、『神木誌』の著者である黄昭国は台湾の巨木について語ってくれた。都会からほんのわずかな時間で原始林に行ける。こんな台湾のような所は世界中を探してもなかなかない。
今月のカバーストーリーでは「天にとどく巨木」「都市の植樹計画」「木と人々の暮らし」「植樹、森林復元」などの話題を通し、この台湾に暮らす人と木の関係を紹介する。また専門家などへのインタビューで、自然との共存という理想の姿を提示する。
人々の生活と関係が深いものとしては、ほかにも「台湾沙茶」と「白粥と小皿料理」を紹介する。多くの料理に欠かせない調味料は、どのようにして一般家庭の食卓に登場するようになったのだろう。また、一口食べれば誰もがほっとする白粥は、どのように発展し、時代の記憶を留めてきたのだろう。今月は、これら台湾独自の味を再認識していただきたい。
初めて台湾に来た外国人は、民間信仰のさまざまな習慣を見て、台湾人が何を拝んでいるのか、それが日々の暮らしとどう結びついているのか、知りたくなるだろう。神を敬う台湾人の思いを理解していただければと思う。
「台湾の竹林のざわめきや蒸し暑さまで描き切れるのは、彼(藍蔭鼎)しかいません」と国立成功大学歴史学科の蕭瓊瑞・名誉教授は語る。そしてもう一人、廖継春を加えて、台湾西洋美術史初期の画家二人を紹介する。専門家の解釈も交えながら、台湾美術のすばらしさを見つめ直したい。
今年(2023年)3月に台北世界貿易センターで行われた台北国際工作機械展(TIMTOS)では、「グリーン省エネ」「スマートネットワーキング」「フレキシブル生産システム」「デジタルシミュレーション」など、台湾が優位に立つテーマが披露された。では今回の工作機械展の目玉は何だろうか。またスマートマニュファクチャリング、グリーンサプライチェーンといった台湾の強みを、バリューチェーン全体とどう組み合わせ、ソリューションを提案していくのだろうか。台湾機械工業同業公会の許文通秘書長がそれらを深く掘り下げ、台湾工作機械の未来を示してくれる。