レッドドット、iFと肩を並べる
ゴールデンピンは華人圏に強い影響力をもつ。アワードによって、台湾のブランドが育ち、台湾オリジナルのデザインブランドが国際市場に羽ばたき、アワードの知名度も拡大した。数多の受賞者が自社製品の宣伝に、ドイツ‧レッドドット、iFに並べてゴールデンピンを掲げている。ゴールデンピンを重視し、受賞の栄誉とメディア露出の効果があることを証明している。
ゴールデンピンはアジアのデザインの最先端に立つ。受賞作品に、コンテンポラリーデザインのトレンドが窺える。例えば、2019年のベスト‧オブ‧ゴールデンピン‧ロゴ作品「稲殻ビーチ玩具セット」の原料は、籾殻と天然デンプンである。100%分解可能なバイオ原料は、高熱で溶け、型に流し込んで成型すれば、様々な形状の容器ができる。
もう一組は「ベスト‧オブ‧ゴールデンピン‧デザインアワード」と「年度特別賞‧循環デザイン」を同時に獲得した「HMMグラス」である。著名なW春池計画(W glass project)と共同で回収ガラスを使い、地元の職人が手作りする。永遠の命をコンセプトに、時計の目盛りをエレガントな12角に表現し、趣ある琥珀色に染め、手に取って回すと美しい光と影が交錯する。循環経済とエコの新たな可能性を体現している。
「台湾はガラスのリサイクルでは世界2位で、スウェーデンに続きます」廃グラスも、溶かして再加工すると、気品が生まれ、モノの価値が上がる。こうして「HMMグラス」はデザインと環境が結びついた最良の事例となった。
「ゴールデンピンの入選作品から、環境保全は最近の台湾の強みであることがわかります。絶えず世界から注目される理由でもあります」と、林鑫保は台湾の環境保全と製造における優位性をまとめた。台湾はハイテクの島であるだけでなく、環境を重視する島でもある。「環境への敏感さと、循環デザインを重視する度合いは、欧米や日本に勝るとも劣りません」
台湾デザイン研究院の林鑫保副院長は、台湾はその地理的位置と産業環境により、デザイン実践の最良のフィールドとなると考えている。