世界で2番目に人口が多く、世界で7番目に広い国土は台湾の91.37倍、そしてチャンスに満ちた国。私たちはそのインドに長年暮らすジャーナリストや学生、ダンサー、華語教師、それにインド企業で働く台湾人などを訪ね、インド人の生活習慣や考え方などから、多様で複雑、ユニークな論理を持つ国を語っていただいた。
今月の『光華』はまた、台湾の駐インド代表である田中光氏を訪ねた。「台湾に求められる価値の創出」「持続可能な経営基地の確立」というのが氏が推進する台湾-インド関係の二大支柱であり、インドの特殊な文化的背景の分析から始め、インドにおけるビジネスチャンスと台湾の潜在的優位性をお話しいただいた。またインドに進出している台湾企業も訪ね、その経験をシェアしていただいた。今月号のインド特集をぜひお読みいただきたい。
私たちの愛する台湾をより深く理解するにはさまざまな方法がある。台湾博物館では博物学の角度から「発現台湾(台湾発見)」展を開催する。李浩は実験的写真作品を通して、人々に反復する日常について考えさせる。芸術家の蔡爾平は、大量の資源ゴミを用いて人々の目を楽しませる芸術品を創る。
こうした環境や制度、人間への関心は、ある意味で既存のイメージの払拭と再観察を経て真実へと返り、解決の道を見出すことである。例えば、数人の若者が仕事の合間に活動する社会的企業「人生百味」は、「人生雑貨店」「石のスープ」などのプロジェクトを打ち出し、ホームレスや路上販売をする人々に貼られたレッテルを剥がそうとしている。弱者と社会とのつながりを取り戻し、より多くの関心を注ぐためである。
台湾社会の多様なエスニックの融合は、互いの文化に対する理解によるもので、それは「宗教」や「食文化」「風習」の面にも広がっている。インドネシアのイスラム教団体ナフダトゥル・ウラマー(NU)台湾支部の青年女性部は、台湾に働きに来ている女性イスラム教徒の心と信仰の拠り所となるだけでなく、駐台北インドネシア経済貿易代表処とともに学習プログラムを打ち出し、移住労働者が技術を身につけられるように協力している。彼らはさらに一歩進んで、台湾の公益活動にも参加している。
台湾初の新住民の国策顧問・胡清嫻さんは、学校や地域などで繰り返し多元文化講座を開き、講師として東南アジアの習慣などを説明し、文化交流の懸け橋となっている。食文化を見ると、シェラトン・グランデ台北ホテルのタイ出身の阿桐シェフは、タイ料理の酸味、甘味、苦味、辛味、香りを用いて台湾にタイ料理ブームを巻き起こした。これら世界各地から来たさまざまな民族の人々が台湾の土地でともに努力し、台湾の豊かで多彩な文化的景観を生み出しているのである。