まず、台北の林森北路にある「蒲添生記念館」を訪れ、館長の蒲浩志氏と台湾美術史専門家の蕭瓊瑞教授にお話をうかがいます。混乱の時代に生きた彫塑家・蒲添生の人生や作風、それぞれの作品の時代的意義を知り、台湾の彫塑芸術発展の足跡をたどります。
この旅の途中で、台湾の街並みを彩るさまざまな看板に気付かれましたでしょうか。台湾の看板は雑然としていますが、おもしろみがあり、親しみやすいものです。探照文化CEOの李明璁氏は『光華』の取材にこう話しています。「看板は文化の縮図です。まず華語の漢字文化があり、続いて日本の植民地文化、それからグローバル化の時代となり、特にアメリカの影響を強く受けています。最近は原住民や東南アジア諸国の影響も受けています」と。
続いて宜蘭では「東洋のチーズ」と呼ばれる「豆腐乳」の産地、そして二胡の制作で知られる李十三氏を訪ねます。時間をかけ、熟練した技で生み出される味覚と音色をお楽しみください。さらに国立伝統芸術センター宜蘭園区の糖葱文化館と、台湾ならではの伝統戯曲を受け継ぐ漢陽北管劇団を訪れれば、宜蘭は決して忘れられない土地となることでしょう。
花蓮・台東にまたがる双浜(豊浜と長浜の一帯)では、山に沿って色とりどりの原住民集落が並んでいます。『光華』の取材班とともに、この地域の美食と自然、暮らしと文化が織りなす原住民集落の風景をご覧ください。続いて高雄では、美濃という客家の町へ足を運びます。美濃の歴史や文化を研究する邱国源氏、『今日美濃』編集長の黄森松氏、そして「美濃農村田野学会」理事長の温仲良氏とともに、開墾から数百年にわたって蓄積されてきた食文化に触れましょう。
高雄から北へ進み、台南と嘉義にまたがる西拉雅(シラヤ)国家風景区では、サステナビリティをコンセプトとした数々のスポットをゆっくりとお楽しみください。続いて「木都」と呼ばれる嘉義では日常の暮らしの美しさを味わっていただきます。その後は、台湾の離島へご案内します。金門の風獅爺、澎湖西吉嶼の青の洞窟、七美島の月鯉湾でのダイビング、蘭嶼の日の出とチヌリクランなど、さまざまな美と出会えます。最後に、外交部が実施した「新南向政策エリート育成プログラム」に参加した、ベトナム、インドネシア、マレーシアなど6ヶ国の学生たちの声にも耳を傾けてください。こうして素晴らしい台湾一周の旅は感嘆符で終了します。次回の旅も、ぜひご期待ください。