インドネシアの研修生「台北市は清潔」
大学を出るとアパレル販売の職についたモザさんは、起業したくてもリソースがなかった。社交的な性格を活かしてメディアの仕事に就き、起業につながる人脈を築いていく。二人の子供がいる彼女は、家族旅行に適したリソースの不足を感じ、ウェブサイトliburkeluarga.com (家族旅行)を立ち上げ、自らの体験を紹介し、友人にも投稿を呼びかけた。今回の台湾訪問ではワークショップだけでなく、おすすめ商品やスポットを映像にしてサイトにアップしている。
彼女は台北市の路上にゴミが落ちていないことについて、国父紀念館の前で尋ねた。「どうしてゴミが落ちていないんですか?ゴミがあったらどうするんですか?」そして短い映像を作って台北市の清潔な環境を紹介している。
デザインが好きな彼女はつけまつげのブランド「Lashes by Moza」も創設している。他社品と違い、モザさんの商品は天然毛で手作りする。生産者はインドネシアの主婦だ。彼女は、ブランドロゴをショッピングバッグやスマホケースなどのグッズにして、いつも身につけて自分とブランドをアピールしている。
女性の起業はハードルが高く、乗り越える困難も多い。だからインドネシアの民間組織IWAPIは起業家に交流の場を提供する。
IWAPIマーケティング部長でもあるモザさんは、ワークショップ終了前に帰国し、IWAPIが国際的企業と展開する今年度の起業ワークショップの企画に取り掛かった。8つの都市でインドネシア人女性800人を育成する。過密スケジュールの中、どのレクチャーでも、必ず講師と交流していた。台湾の経験をインドネシアに持ち帰り、事業に応用し、そして全国にも広めたいと言う。
アジア諸国では女性の雇用や起業の問題は重視されてこなかった。しかし女性の意識が高まって権利が拡大するにつれて、各国の女性が台湾の経験を学びに訪れるようになった。
「女性起業ワークショップ」に続き、ICDFは今年「農業製品付加価値発展ワークショップ」と「貿易促進ワークショップ」を開催していく。ASEAN 10カ国と南アジア6カ国に年間で50人ほどの専門人材を育成する。こうしたシード人材を通じて、台湾と新南向パートナー諸国との協力関係を深め、広げていく。
さまざまな国から来たメンバーが台湾に集まり、楽しい交流が行われた。
インドネシアのバンドン市にある国立農業訓練センターから来た4人が楽しそうに台北の街を歩く。