1973年に創業者が亡くなり、息子たちが家業を継いだ。幼い頃から太鼓の中で育ってきた兄弟だが、太鼓作りについては何も知らなかった。それでも父親が50年守ってきた工房を閉める気にはなれず、兄弟は技術を学ぶことを決意する。そうして、試行錯誤を繰り返し、ようやく太鼓作りの技を身につけた。
中国太鼓の構造は胴に牛革を張ったものだが、それでもさまざまな変化がある。例えば、仏教の詠唱の伴奏には低い音、獅子舞には高い音が求められる。
王家の3兄弟の努力によって响仁和は業界随一のブランドとなり、国内外の有名寺院や、朱宗慶打撃楽団、優人神鼓、漢唐楽府など、台湾のトップ・パフォーマンス・グループも彼らの顧客である。
巨大な太鼓を扱う体力を消耗する仕事だ。3兄弟も60歳を過ぎて少しずつ第一線を退き、今は三代目が第一線で働き、工房の名をさらに高めている。响仁和鼓芸工坊の太鼓の音は、これからも鳴り続ける。
响仁和鼓芸工坊の作る太鼓の音が国立音楽ホールに響き渡る。
响仁和鼓芸工坊では新品の製作だけでなく、メンテナンスや修理も引き受ける。
响仁和鼓芸工坊は太鼓に台湾水牛の革を用い、太鼓の用途によって異なる部位を用いる。皮の処理には職人の高い技術が求められる。
响仁和鼓芸工坊は太鼓に台湾水牛の革を用い、太鼓の用途によって異なる部位を用いる。皮の処理には職人の高い技術が求められる。
理想の音色を出すために、革を伸ばし、引っ張る作業を幾度も繰り返す。力仕事であり、職人の経験が頼りとなる作業だ。
3兄弟の長兄である王錫坤のきめ細やかな太鼓作り。ひとつひとつの工程で、寸法を測り、しるしをつけていく。
3兄弟の長兄である王錫坤のきめ細やかな太鼓作り。ひとつひとつの工程で、寸法を測り、しるしをつけていく。
1923年創立の响仁和鼓芸工坊は、伝統の技法を守る数少ない太鼓工房のひとつである。