台湾は特殊な歴史的背景から、内部にはエスニック間のアイデンティティの問題があり、対外的には複雑かつ困難な外交上の課題がある。
「外交関係のない状態で、これは大変なことです」と語る李宗儒氏は、1991年に初めてオーストラリアのメルボルンに赴任し、誠意と勤勉さをもってゼロから同国連邦議会に働きかけ、ついには両国の緊密な関係を築くことに成功した。今月号では、かつて外交官として五大大陸に駐在し、我が国の外交史に名を刻んだ李宗儒氏にお話をうかがった。
外国との交流においては、民間の力も決して軽視できない。2020年の東京オリンピックが近づく中、台湾の国技とも言える野球においては、台湾と日本の間に深いつながりがある。今月の「光華」は九州を訪れ、日本のプロ野球で活躍する宋家豪にインタビューした。また福岡第一高校へ野球留学している藍懐謙と陳昶亨にも野球への夢や両国の違いを語ってもらった。さらに、新竹県と宮崎県の野球交流や、両国の農業や食の交流もご紹介する。
映像を通した国と国との交流は、時に大きな影響力を発揮する。我が国の外交部国際伝播司は2019年、フィリピン、ベトナム、インド、タイのテレビ局と共同で特別番組「携手台湾(台湾と手をつなぐ)」を制作した。海外のテレビ局がそれぞれの言語で制作した番組では、台湾には台北101や故宮博物院、ナイトマーケットといった観光スポットの他にも多くの魅力があることを伝える。ハイテク分野の実力や持続可能な農業の発展などだ。「光華」は、これら4ヶ国の制作チームによる台湾ロケに同行取材し、各国のレポーターの表情や撮影中のエピソードなどもお伝えする。
もちろん今月号でも、台湾各地の素晴らしい人や文化をご紹介する。台湾産のカカオを使ったチョコレート作りが盛んになっているが、彼らは世界を驚かす実力を示している。また台東県池上の「秋収稲穂アートフェスティバル」や、家の整理整頓を請け負う「整理師」という新しい職業、それにグラフィティペインターのDEBEの物語などである。これら豊富な内容は「光華」の各国語版(中国語、英語、日本語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語)で世界に向けて発信している。来月号の「光華」では、いま最も注目される体験経済(エクスペリエンス‧エコノミー)を通して、企業の自社ブランド創出や転換の過程における努力や変化をご覧いただきたい。