読者の皆様は、私たちが「家」と呼ぶこの島を、立ち止まって感じ取ったことがあるだろうか。今月号の『台湾光華』では、この島の目に見える美しさだけでなく、「愛」や「守護」から生まれる素晴らしい物語をお読みいただきたい。これらの物語は台湾の豊かな自然資源を伝えるだけでなく、人と土地との間の最も温かく強い絆に光を当てており、そこから前進する力が得られるものである。
台湾の海には、世界の造礁サンゴ全種類の3分の1が生息しており、その豊かさはオーストラリアのグレートバリアリーフにも匹敵する。台湾大学海洋研究所の教授を退任した戴昌鳳さんは、多数のサンゴに中国語名をつけてきた、台湾におけるサンゴ礁生態研究の先駆者だ。台湾の海洋環境の変化を目の当たりにしてきた戴教授は、サンゴ保全のためには生息地の環境改善こそ最重要任務だと考えている。
花蓮では廖鴻基さんが活動している。彼は1996年に「台湾尋鯨小組」を発足、続いて「黒潮海洋文教基金会」と「花蓮県福爾摩沙協会」を設立し、「拝訪太平洋マッコウクジラπ計画」を実施して、ホエールウォッチングを観光だけでなく、海洋保全意識を高める活動へと変えてきた。
山に目を向けてみると、そこにも同じような精神で「守る」人がいる。標高3858メートルの玉山北峰で、玉山気象台を守ってきた謝新添さんたちだ。彼らは高山での厳しい生活に耐え、精確な気象データを送り続ける。高山での救難活動のためにも第一線から情報を提供する。登山客が何時間もかけて登って来れば、当直の職員が温かいコーヒーやお湯でもてなす。高山で感じる人情は、極寒の世界でも台湾特有の温もりを感じさせる。
東北角の漁村「貢寮」では、昔からの知恵と現代のサステナビリティが融合している。特殊な地質が生んだ壮麗な景観の地に、平埔族や漢民族、オランダ人やスペイン人、そして日本人が歴史を刻んできた。ここの物語からも土地に対する台湾人の深い思いが読み取れる。異なる分野に属する人々がそれぞれの方法で貢献し、ともに台湾特有の風景を生み出しているのだ。
戴昌鳳教授の40年にわたるサンゴ研究、廖鴻基さんの20余年をかけたホエールウォッチング、謝新添さんの玉山気象台での29年の日々、そして無数の人々による大自然との共存のための努力は、どれも愛と言える。
今月号の記事を通して、台湾の大地からの温もりを感じていただければと思う。これらの物語が教えてくれるのは、「保護」はスローガンであるだけでなく、暮らしの中で実践すべきこと、そして「サステナビリティ」は目標であるだけでなく、大自然との交流を深めるプロセスであることだ。これらの美しい物語と愛を通して、台湾をますます輝かせていこうではないか。