「人と自然」というテーマは自然環境への関心の高まり、そして環境保全や汚染といった世界的な議題とともに発展し、そうした中で国立公園は生物種の保全における指標となる役割を担っている。
「光華」取材班は、太魯閣国立公園、玉山国立公園、台江国立公園、墾丁国立公園を訪ね、サンバーやクロツラヘラサギの保護、玉山瓦拉米トレイル、そして台湾最南端の恒春半島のエコツーリズムなどを取材した。単一のテーマではなく、生物種の保全、環境、生態、地域経済、エコツーリズムなど、多方面から台湾が誇る自然保護と環境保全の成果を見つめる。
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「光華」2014年2月号(日本語版3月号)において、私たちは「サバの故郷――南方澳の90年」と題して、南方澳の盛衰と変化を報道した。今月号の「開港百年を迎える南方澳」では、「海鯖、海青、海清、海親」の保護四部曲を通して、この大切な漁港の未来に目を向ける。
近年の台湾の流行文化に目を向けると、期せずしてローカルのストーリーと結びつく傾向がみられる。中でも「妖怪」というテーマは、小説、アニメ、演劇、ゲームなどに多様なインスピレーションをもたらしているようだ。だが、西洋には数々の神話があり、中国には『山海経』や『聊斎志異』、日本には『古事記』があるのに対して、台湾はどうだろう。小説家の何敬尭は、文学や歴史の研究から着手し、フィールドワークを行なう地方異聞ワークショップや、クリエイティブ商品を開発する角斯などと手を組み、台湾オリジナルの妖怪のモチーフを探し求め、台湾にファンタジーの豊かな土壌をもたらしている。
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東洋の書法が西洋の芸術理論に出会った時、どのような火花が散るのだろうか。現代アートの観点から東洋の書を見つめなおし、再構築した時、それは音楽やファッション、マルチメディアなどのジャンルにおいても脇役ではなくなる。今月号の「グローバル・アウトルック」では、台湾の書の大家である董陽孜を訪ね、国境を越えた新たなアートの世界をご紹介する。
パイワン語のプザガラン(希望の意味)という言葉から命名したプザンガラン児童合唱団。先住民集落の子供たちの天使の声が世界の舞台で注目されている。また、台湾の伝統芸能「唸歌」に新たな命を吹き込む「微笑唸歌団」や、アクロバットや雑技、舞踊、演劇、ストリートダンスといった要素を融合した「FOCAフォルモサ・サーカス・アート」についてもお読みいただきたい。そしてフォト・エッセイでは、輝かしい成績を収めたユニバーシアードの選手たちの姿とともに国慶節を祝し、台湾の情熱と活気、ソフトパワーを世界にお伝えする。