混雑緩和と誘導の使命を果たす
「ボランティア選考では、まず中国語と簡単な英語が話せることが条件でした」ボランティアに同行して説明会に出席したGWO副事務局長の周思妤と阮氏芳花は、早くから準備に取り組んできた。昨年はベトナムとインドネシアのボランティア、今年はフィリピン人も募集した。
「最大の試練は、花火終了後の帰宅ラッシュです」と張立偉は言う。例年、数百万人がMRT駅へと殺到するため、非常に神経を使う。ふざけて押し合う人でもいれば、取り返しのつかない事故につながることもあるのだ。「絶えず人々に声をかけて落ち着いてもらい、忍耐強く待ってもらわなければなりません。管制は安全に帰宅してもらうためなのですから」と言う。この時「潮天団」のボランティアが大きな力を発揮する。ユーモラスな言葉で人々の緊張を解きほぐすのである。外国人ボランティアも大活躍する。同郷の人々に母語で語りかけてもらうことは、どんな標語よりも効果があるからだ。
「これは大変な仕事です。午後5時から忙しくなり、人の波がようやく退くのは午前2時過ぎですから」と話す徐瑞希は、いつも彼らの仕事が終了するまで付き添う。外国人ボランティアは、それぞれの職場で一日働いてきた後、自分たちの時間を犠牲にして、疲れも知らずに持ち場についている。「昨年は台北市以外から来てくれたボランティアも多く、任務終了後は台北駅のホールで寝て、朝一番の電車で帰っていきました」彼らは何の見返りも求めず、使命達成を誇りとして働いてくれている。
大晦日のカウントダウンと花火に集まった数百万の人々を無事に帰宅させるには、綿密な計画と多様な交通手段の組み合わせが必要となるが、2019年の大晦日も順調に任務を完了することができた。かねてから審査の厳しいベトナムの政府系テレビ局VTCも、今年は台北MRTの大晦日の活動を報じ、外国人ボランティアの姿も映像で紹介したことで、参加したベトナム人ボランティアには大きな励みになった。同郷の人々が無事に帰宅できたことを確認し、彼らは自信に満ちた表情を見せる。
ボランティアに参加した外国人労働者を雇用している家庭からは、仕事が終わったら迎えに行きたいという連絡もあった。雇用主は彼らを家族同然に扱い、ボランティア活動をすることを支持し、帰りの足まで心配していたのである。
台湾外国人労働者発展協会(GWO)と台北市MRT局は、インドネシア、ベトナム、フィリピン出身の誘導ボランティアを募集した。