台湾の誇りを創造
2001年に台北芸術推進協会が、第1回台北ワールドミュージック・フェスティバルを6日間にわたり開催し、ギリシャやベルギーのアーティストが、伝統と流行を融合した音楽を演奏した。
2016年には文化部テレビ映画・流行音楽産業局が主催するワールドミュージック・フェスティバルが始まり、3万余りの音楽愛好家を集めた。「私はすべての人のためのフェスティバルを開きたいのです。家族、恋人、夫婦、友人などすべてに共通の記憶を残したいのです」と于蘇英は目を輝かせて語る。
「ワールドミュージック・フェスティバル台湾2017」は、耳を楽しませるだけではなく、リズムを体で感じさせた。ステージの上下に隔たりはなく、すべての束縛から解き放たれて、楽々と音楽に乗って夢に飛翔し、参加できる幸福な感覚に浸りながら、生命ある音楽を共に綴り、紡いでいくのである。
知性と感性を融合させたフェスティバルは、世界の音楽関係者から重視され、ワールドミュージック・エキスポ(WOMEX)、オーストラリアのアデレードで開催される世界音楽祭(WOMADelaide)、日本沖縄の音楽フェスティバル、中国民謡音楽フェスティバル、アメリカUCLAのパフォーマンス芸術センター、アメリカのニューメキシコ・ワールドミュージック・フェスティバルのキュレーターなどが列席した。
世界の著名ミュージシャンのパフォーマンスは、人々に新しい音楽の価値観をもたらし、視野を広げて、ほかの土地に生れた多様な音楽の息吹を呼吸する最良のチャンスを台湾に与えてくれた。「しかも、台湾にも他の地域には望めないような音楽芸術の多くの宝が隠されています」と、多年にわたり台湾の音楽を研究し、掘り起こしてきた于蘇英は自信に満ちて語る。
今回のフェスティバルで、台湾の伝統的な音楽芸術の特徴と貴重さを世界に紹介し、新しいエネルギーで台湾の誇りを示せたたのである。
中国雲南省の山人楽隊による演奏。すべての伝統音楽の根底には文化があり、歴史がある。
中国雲南省の山人楽隊による演奏。すべての伝統音楽の根底には文化があり、歴史がある。
ワールドミュージック ・フェスティバルを通して台湾の伝統楽曲の歌手も世界に紹介された。写真は厳詠能&打狗乱歌団。
パイワンの集落出身のBoxingバンドもワールドミュージックのビートに魅了されている。(荘坤儒撮影)
2015年、恒春の五里亭で開催された春浪音楽フェスティバル。(林格立撮影)