台湾オリジナルゲームの専門店
競争の激しい他の産業と違い、誕生したばかり台湾オリジナルゲーム業界では、業者間の協力関係があり、ともに市場を拡大しようとしている。台中にある「宝島卓遊」はこうした環境から生まれた台湾オリジナルゲームの専門店だ。この店を経営する林家進はもともとテーブルゲーム出版社莫仔有限公司のディレクターで、自社製品を手に営業していたが、友人が開発したゲームも一緒に販売した方がいいと考え専門店を開いた。
店内はすべて台湾オリジナルのテーブルゲームである。テーマは先住民族、MRT、電力会社、台湾タイルなど実にさまざまだ。林家進によると2015年の開店時はゲームの種類は20ほどだったが、オリジナルゲームの開発が盛んになり、今では130品目を扱っているという。
こうした中、テーブルゲームを補助教材にした教育方法が教員や保護者から注目されており、台湾のゲームは教育の方向へ発展しつつある。一般のゲーム店と異なり、デパート内に店を構える「宝島卓遊」は親子連れを対象とした教育用ゲームを扱っている。テーブルゲームを囲めば、デジタル製品から離れて親子で一緒の時間を過ごすことができ、思考力や反応を高めることができるため、保護者から注目されているのである。
店舗で販売するだけではない。教育に役立つゲームはしばしばコンサルタント会社の人材育成教材にも採用される。林家進が自身の起業経験から開発した「青創十力」もそうだ。従来の学校教育は職場で必要な技能を取得することを中心としており、起業のノウハウは誰から教えてもらうこともなく、一人で模索するほかない。そこで林家進はゲームの中で起業を体験してもらい、起業を目指す人の困難を減らしたいと考えた。
人と人とのリアルなやりとりによって、テーブルゲームは楽しいものとなる。