空間を市民に
新竹の暮らしやすさを知るには、休日に東門城広場に行ってみるとよい。ベビーカーを押す一家がピクニックしていたり、若い学生がリズミカルにダンスを練習し、子供たちは広場中を楽しそうに走り回っているだろう。
この快適な楕円形の空間に、かつては政治家の銅像とライオンズクラブの時計塔が立っていた。1999年に、建築家の邱文傑がこの場所を「新竹の心、東門城広場」に作り変えた。必要のない構造物を除去し、ロータリー交差点の中央に孤立していた城門の円形広場を、地下道や堀端の公園を通じて外部と繋げた。「この設計の狙いは、市民が歴史ある城門広場に出入りし、新旧を融合させるところにあります」と邱文傑は言う。これより、市民の誰もが東門城広場に足を踏み入れ、広場の一部となれるようになった。城門から斜めに掘り下げた空間は、ローマの闘技場のような舞台となり、城門の空間をそのままステージとして、パフォーマンスに提供できる。
都市の一端には、開削されて三百年余りの水路隆恩圳が寄り添うが、今年は田中央建築チームが最小限度の施工で、隆恩圳を都市の中に軽やかに蘇らせた。
「この都市には、歩くための空間がもっと必要です」と、建築家の余在宥は言う。そこで建築チームは地面を高くすることで大きな空間を生み出し、路面を平らにして、市民が自由かつ安全に散歩し、活動できるようにした。
河道のラインから隆恩圳の歴史が感じられる。日本時代の古地図を見ると、河道のラインが今もほとんど変わっていないのである。余在宥によると、設計の重点は歩道の動線を増やし、河道と交差させ、多面的な角度から水路を眺められるようにするところにあるという。
水路で隔てられていた両側の道や店舗や学校が、この歩道によって繋がり、繋がるポイントごとに小さなベンチが置かれた。慌ただしく通り過ぎるのではなく、この場で立ち止まり、新たな出会いの機会を生み出したいと余在+ةは言う。
「若い建築家は、この空間の余分なものをぎりぎりまで削ぎ落とし、空間を軽やかなものにしようと努力しました」と黄聲遠は説明する。これこそストレスフルな都市生活に必要な緩やかな場であり、ゆっくり歩き、雑談し、ぼーっとしたり休んだりする緑の通路である。そして、かつて身近にあった爽やかな風と涼やかな水音に、柔らかな陽光を思い起させる。
都市の未来ビジョンは言葉で表すだけでは足りない。歴史ある新竹の町には、力を合わせて創造的な変化を起こしていく人々がいる。より良い明日は、彼らの強い期待でもある。
東門市場の一角。古い商店の雰囲気は20世紀のまま時間 が止まったかのようだ。
開門工作室の陳泓維らが東門市場に入居し、イベント開催やペイント装飾などを通して伝統の市場に新しい雰囲気をもたらしている。
開門工作室の陳泓維らが東門市場に入居し、イベント開催やペイント装飾などを通して伝統の市場に新しい雰囲気をもたらしている。
明かりが灯り始める頃、東門市場内の店舗が夜間食堂へと変身する。
江山芸改所は数々の実験的なパフォーマンスを紹介し、新竹に新たな文化スペースを開いた。(江山芸改所提供)
江山芸改所は数々の実験的なパフォーマンスを紹介し、新竹に新たな文化スペースを開いた。(江山芸改所提供)
張登堯・游雅淳夫妻は、自分の好きなことを運営しつつ新竹で暮らしている。
隆恩圳の改造によって、都会にありながら陽光を浴 び、爽やかな風と涼やかな水音を感じられ、美しい思い出を作ることができるようになった。
隆恩圳の改造によって、都会にありながら陽光を浴 び、爽やかな風と涼やかな水音を感じられ、美しい思い出を作ることができるようになった。
隆恩圳の改造によって、都会にありながら陽光を浴 び、爽やかな風と涼やかな水音を感じられ、美しい思い出を作ることができるようになった。