肥満症と糖尿病の患者15億人に福音
台湾の中国医薬大学の洪明奇学長は、「2024唐獎マスターズフォーラム」において、今年のバイオ医薬賞の受賞者は2型糖尿病治療と肥満抑制の研究に大きく貢献し、世界の糖尿病患者5億人と肥満症患者10億人に大きな朗報をもたらしたと述べた。
ジョエル・フランシス・ハベナー氏は、インスリンの分泌を促進するインクレチンの一つであるグルカゴン様ペプチド「GLP-1(7-37)」を発見し、これをもとにした糖尿病や肥満症の治療薬開発に貢献した。この重要な発見は、人類が長年研究してきたインクレチンをあらためて定義しなおし、またこれが2型糖尿病の治療に役立つ可能性が証明され、今後、糖尿病治療に広く応用される見込みだ。
コペンハーゲン大学のイェンス・ジュール・ホルスト氏は、50年前に胃腸外科医だった時にインクレチンに興味を持ち、独自にGLP-1(1-37)とGLP-1(7-36)アミドを分離した。そして後者が活性型のインクレチンであり、血糖値を下げ、グルカゴンの分泌を抑制し、また腸の蠕動と食欲を抑える働きがあることを明らかにした。
「バイオ医薬賞」を受賞したこの3名は、人類の健康に大きく貢献している。またヤギー氏は若者たちに厳しい環境を乗り越える人生観を語り、ロビンソン氏は法の支配に対する一般市民の信任を再構築することの重要性を強調した。第6回唐獎受賞者は、現在の混迷した世界情勢の中に、サステナビリティと平和、健康への新しい道を切り開いたのである。
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台北と高雄で開かれた「唐獎栄耀展」では、唐獎受賞者の深遠な成就がいかに人々の日常生活に貢献しているかを分かりやすく展示した。
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「バイオ医薬賞」に輝いたスヴェトラーナ・モジョフ氏(左から3人目)とイェンス・ジュール・ホルスト氏(右から3人目)は、「唐獎マスターズフォーラム」で講演を行ない、参加した学生や教員と交流した。(唐獎教育基金会提供)
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アイルランド初の女性大統領となったメアリー・ロビンソン氏は、国際的な人権問題への関心を呼び掛けてきた。
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ジョエル・フランシス・ハベナー氏はインクレチンの一つであるGLP-1(7-37)を発見し、これによって糖尿病や肥満症の治療薬の開発が進むこととなった。(唐獎教育基金会提供)