関渡平野のアニメフェスティバル
台湾未来影像発展協会は、台湾の作品を世界に届けようとしている。一方、関渡国際アニメフェスティバルは、台湾が世界の創作者のために設けた舞台である。
台北芸術大学アニメーション学科が主催する関渡国際アニメフェスティバルは2011年にスタートしてすでに8回を数える。世界中から作品を募集しており、応募件数は年々増加している。2018年には89ヶ国から2200を超える作品が集まった。「応募件数の多さからも、すでに世界的に有名なフェスティバルになっていることがわかります」と、フェスティバルの総監督で台北芸術大学アニメーション学科主任の史明輝は言う。
応募された作品は、同学科の教員たちが幾度も審査選考を重ね、最終的に83作品がコンペティションに参加、54作品がコンペティション以外の一般上映となった。
アニメにはキャラクターが必要だが、史明輝はこの概念をフェスティバルにも取り入れ、関渡の英語であるKuanDuからKuanDogという犬を生み出してフェスティバルのイメージキャラクターにし、KuanDog賞を設けた。
アカデミー賞を受賞したアニメーションの多くが、それより前に台北でKuanDog賞を受賞しているため、史明輝は、同賞をアカデミー賞の前哨戦だと言って笑う。例えば、2016年に『ベア・ストーリー』でアカデミー賞最優秀短編アニメに輝いたチリのガブリエル・オソリオ監督にとって、初めての受賞は2014年のKuanDog賞だった。その後、彼は他の国際映画祭でも受賞し、最終的にアカデミー賞を取ったのである。2016年に関渡国際アニメフェスティバルに招かれたガブリエル・オソリオ監督は講演で、「まるで実家に帰ってきたようで、非常に大きな意義があります」と語った。
映画祭は世界に台湾をアピールすると同時に、台湾の観客に世界の作品を見せる場でもある。関渡アニメフェスティバルではエントリー作品を上映する他、海外のキュレーターに企画を依頼したプログラムも行なわれる。今回はイギリスのブリティッシュ・アニメーション・アワードのノミネート作品が上映された。
次にどの作品を上映して対抗するかを真剣に話し合う選手たち。(台湾アニカップ提供)