台湾の不思議な魅力に触れる
地方創生は始まったばかりだが、国家発展委員会は、過去の経験からさまざまな変革を推進しており、民間機関が地方創生のための資金を必要とする際にも、かつてのような繁雑な手続きは必要なくなった。
陳美伶は、地方創生は持続しなければならないと考え、経営を永続させるために、国家発展委員会は民間企業の投資マッチングや国家発展基金による投資の形を採用している。「地方で会社を始めるとき、我々が投資して株主になることで、同じ立場に立つことができます」と言う。
また、自治体の力を補うために、国家発展委員会では中央の公務員を地方に派遣していく考えだ。国家発展基金会が率先することとなり、現在すでに109人が地方派遣に意欲を示している。
「人を中心に据える」地方創生は、地域に対する地元住民の誇りを呼び覚ますものである。さらに貴いのは、地方創生と日本との縁が深いことから、第一線で活動する両国の人々が盛んに交流し、国境を越えた友好関係が築かれていることだ。彼らは自発的に互いを支援し、より大きな成果を上げようとしている。
これはまったく予想外の収穫だった。例えば、台湾塾の活動期間中に二度台湾を訪れた池田康正‧池田真央夫妻は、台湾が好きになり、一家そろって台湾に移り住むことにした。いまも彼らはブランド‧マーケティングやイベント企画、刊行物編集などの仕事を続けており、台湾と宮崎の間を行き来している。
昨年1月には、中華航空や台湾塾の仲間から資金を募り、「宮崎台湾文化祭」を開催した。わずか2日のイベントに2万人が訪れ、人口わずか100万人の宮崎にとって一大イベントとなった。
「宮崎のような地方では、お年寄りの多くは海外旅行に行ったこともありません。今回のイベントを通して、多くの人が初めての海外旅行先に台湾を選ぶでしょう」と林承毅は言う。
政府が発起した台湾塾はすでに終了したが、人のつながりが途絶えることはない。言語や民族の壁を乗り越えた熱い友情が基礎となり、彼らは地方の栄光を取り戻すという使命感に突き動かされている。彼らが最後に成し遂げる共栄こそ、地方創生の最も理想的な形と言えるだろう。このウィンウィンの局面において、この大地に暮らす私たちは島国台湾の情熱と魅力をあらためて発見することになるだろう。
台湾塾がきっかけで、池田康正・池田真央夫妻は台湾への移住を決め、暮らしの中で台湾を探索している。
Omijikaチームが中心となって開催した宮崎台湾文化祭。台湾の活力に満ちた文化が伝わった。(Omijika提供)
宮崎台湾文化祭には高雄市農業局のマスコット高通通も訪れ、宮崎県のキャラクターみやざき犬とダンスで交流した。(Omijika提供)