今月号の『光華』では、古道研究家の徐如林、建築学者の堀込憲二、食文化作家の曹銘宗、長年台湾美術史を研究してきた蔡家丘など、各界の専門家にお話をうかがった。長年にわたり文学・歴史資料の収集と吟味をされてきた経験を踏まえながら、それぞれの方々が、登山古道を実地踏査、古い建築物の装飾タイル芸術を探訪、移民の食のコンテクストのフォローアップ、台湾本土美術史の遡及という領域で、読者が台湾が内に秘める精緻な美と多様性に目を向けるためのサポートに努めてくれた。
辦桌業界で30有余年の辦桌経験を持つ阿隆シェフ、『グランドシェフの辦桌』の著者・黄婉玲、中央研究院台湾史研究所・副研究員の曽品滄が、台湾現地の特徴を明らかにすべく、「マグロ解体ショー、カラスミとアワビが盛り付けられた前菜、一品封肉、フルーツの三段盛り合わせ」といった台湾式辦桌の湧き上がる情熱と豪華な饗宴を知ることで、 読む者を台湾式辦桌の在地文化に誘導してくれるだろう。
また、今期の『光華』では、小琉球をご紹介する。現地でウミガメに出会え、海洋、地質、漁村文化の観点からツーリズムと生態の持続可能性の問題を探り、熱帯島嶼である小琉球の立体的躍動感を読者の前で再現した。今年(2023年)3月、韓国の慶州国立公園特別代表団が台湾を訪問し、我が国の国立公園スタッフと実務交流を行った。台湾と韓国は、国情も生態環境も異なる。『光華』取材編集スタッフは、特別に同行取材が許され、両国の管理と関連施策の「共通点」と「相違点」を確認することができた。
農業委員会食糧署は、2年に一度、6,000余の生産販売グループから農業のトレンドや農業ハイテクの活用に沿った優秀生産販売グループを選出している。今月号の『光華』は、高い評価を受けた「南投県集集鎮竹筍生産販売グループ」および「高雄市永安区水産養殖生産販売第9グループ」を取材した。前者は、栽培とコールドチェーン技術の運用により四季を通じたタケノコ生産を可能とし、後者は、海の潮の満ち引きを利用した養殖場を利用してツバメコノシロやタマカイを養殖しながら多様な産品を開発し、国内外の販路を拡大し、台湾の伝統産業に新たなビジネスチャンスを見出した。
これとは別に、EUは昨2022年4月にデータ利他主義の概念を打ち出しグローバルな話題となった。台湾は、デジタル発展省の設立に合わせて、社会イノベーション実験センターも2.0を迎えるに当たり、データ利他主義に向けて動き出すことになった。今月号『光華』では、デジタル発展省の唐鳳部長と関連NGOにインタビューを行い、昨今のデータ公益の波の中で台湾がどのような役割を果たすことができるのかを探る。その適用範囲と実践例とは?今月号で詳しくご紹介する。