台東市内、1960年に竣工した公東高工(私立公東高級工業職業学校)の聖堂大楼は、スイスの建築家ユストゥス·ダヒンデンの作品である。
4階建ての打放しコンクリート建築で、壁面は荒々しく装飾はない。正面から見える手すり壁には排水口が整然と並び、建物裏側の広い面積に施された垂直の格子模様とシンプルな幾何学的対比を成している。階段の踊り場の立面に開けられた大小さまざまな四角い穴からは、自然の景観が取り込まれ、飾り気のないコンクリート建築に色彩を添えている。
屋上に建てられた教会の屋内は閉ざされた空間で、聖堂の上部に開けられた天窓と斜め屋根に作られた隙間から、かすかな光が差し込んでいる。右側の壁にはキリストの「十字架の道行」を描いたステンドグラスがはめ込まれており、そこから差し込む光と自然光が荘厳かつ宗教的な空気をかもし出している。ステンドグラスを通った陽光は、教会の座席を幻想的に七色に照らし出す。
このユニークな「板構造」で建てられた建造物は、かつてカトリックのベツレヘム·ミッション·ソサエティのJakob Hilber神父が、職業技術学校を創設するために多方面から資金を募って建設したものだ。それから60年、公東高工は数えきれないほどの優秀な職業人材を世に送り出し、それとともに、この大地に対する宣教師の無私の奉仕を見守ってきたのである。
公東高工(私立公東高級工業職業学校)の聖堂大楼(林旻萱撮影)