「愛台12建設」で建設再開
馬英九総統が二期目の当選を果たすと、故宮南院建設を「愛台12建設」の一つに入れ、積極的に全面的な検討が行われ、2010年10月22日に修正計画が完成、あらためて建設が始まった。
工事の質を確保するため、ハード面の建設工事は内政部営建署に一任され、展示部分は台北の故宮博物院の豊富なコレクションをメインとして海外からも文物を借りることとし、展示内容は中華文明を含むアジア全域の芸術と文化を主とすることが決まった。
2010年に決定した修正計画では、アジアの文物や図書の購入に8.34億元を追加し、総工費は79.34億元、BOTによる周辺開発の30億を合わせると予算総額は109.34億元に達した。
故宮南院の敷地面積は70ヘクタールで、北院の16ヘクタールの4倍以上になる。もともと台湾糖業のサトウキビ畑が広がり、産業道路さえ通っていなかった。それが嘉義県の努力で今は二つの道路が交差し、周辺の電線もすべて地下化された。これも故宮南院をここへ迎えるためだ。故宮南院のために嘉義県は太保市に故宮大道888号という住所を設けたほどである。
国際コンペを経て、南院のメイン建築物には大元建築工場の建築家・姚仁喜の設計が選ばれた。姚仁喜の設計には東洋の静けさがあり、構造は安定していて外観は洗練されており、モダニズムの分野では海外でも注目される、台湾では数少ない建築家の一人である。
姚仁喜は施工の質への要求が高いことで知られており、しかも施工難度が非常に高い。そのため、建設工事の入札では不成立が3回も続き、最終的に麗明営造が落札した。
青空の下に広がる故宮南院の屋外空間。立体的に交錯する地図は海のシルクロードの世界観を表現している。