自然農法‧万物共生
「私たちのエッセンシャルオイルは生命力にあふれています」張瑾文は最高グレードのオイルの成分について説明する。ハーブを全て自ら育て、抽出し調香するのは、創業者兼CEOである詹茹惠の初心からスタートしている。
ハイテク産業で活躍していた詹茹惠だが、過労から大病を患う。復帰後、化学的な発がん性物質が人体と土壌に及ぼす危害を意識したことから、大自然に癒しの力を求めるようになる。
探し求めた末に、詹茹惠は台東をベースにして現地の農家と協力し、原料の源を掌握し、テクノロジー産業の生産モデルで経営を進めた。苗作り、栽培、抽出、調香、マーケティングにパッケージに至るまで自ら手掛け、世界で唯一のハーブ製品サプライチェーンを構築した。
Blueseedsのエッセンシャルオイルは、米国やカナダでも好評である。自然農法に加え、独特なハーブの生長環境がカギである。「生態を観察して、雑草や虫が多い所にハーブを植えます」張瑾文は笑う。顧客は雑草だらけのハーブ畑を見て、まず「ハーブはどこ?」と尋ねるという。
適者生存の栽培では、弱い品種は二、三年で淘汰される。生き残ったのは最強の株ばかりだ。張瑾文のいう万物共生の理念によって、一本一本のハーブが選り抜かれた株になる。「ハーブは命がけで養分を雑草と争います。ですから同じ植物でも一株から抽出するオイル含有量は、一般より3割から3割5分も多くなります」
農家が植物の共生から悟った生態の妙も助けになる。オクラの下に植えるとミントは良く育つ。ミカンの木の下に植えるとラベンダーが甘い香りになる。ハーブと雑草との共生が強い品種を生み、汚染のない台東の土壌‧水‧空気に海風など優れた条件と相まって、抽出したオイルは特殊な香りを持つ。そこでBlueseedsは種苗を残し、ハーブの品種技術を自らの手に留めている。
Blueseedsを創設した詹茹惠(右)は、ハーブ産業を通して環境保全の一助になりたいと考えて居る。